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熊本市~西原村~緑川に架かる橋梁を回る

熊本震災報告②

2.2日目

 2日目は、熊本市内にある土木構造物の補修補強を主業務にしている山王株式会社の協力を得て取材した。忙しい中対応していただき、山王の深水社長、山中氏にはこの場を借りて謝辞を述べる。

 先述の日向2号橋(左写真)を取材した後、西原村を西進した。ここでもやはり家屋の倒壊が見られる。県道28号に同村役場付近で合流してさらに西へ、同村風当当たりで車両通行止めになっていたため、車を降りて大切畑大橋に向かう。大切畑大橋に向かう坂路も至る所にひび割れが生じ、その深さも50㌢以上に達していた。直前に風当付近の集落から28号を見ると、少なからず斜面崩壊が起きていた。その影響と言える。

 大切畑大橋は、大切畑ダムから下の鳥子地区に注ぐ鳥子川を渡河する箇所に平成13年3月に架けられたおそらくPC橋だ。同橋は桁が谷側へ50㌢以上横移動していた。ジョイント部にも大きな段差、離隔が生じていた。傍らにあった道路も大きな段差を生じている。ゴム支承も破断を生じるなどしていたようだ(平成28年熊本地震被害調査速報会(2016/4/27) 構造物の調査報告(3)大切畑大橋の被害状況を参照)。ゴム支承でもここまで桁がずれるのか、と驚く。上記報告でも記されているが落橋防止システムの検証は必要であろう。


風当付近の家屋崩壊/小規模な斜面崩落


大切畑大橋までの坂路であった大規模な路面陥没/鳥子地区から見た大切畑大橋


路面上からも桁の横ズレがはっきりと分かる/横ズレ拡大部


遊間部にも大きな離隔が生じていた/ピントがずれているが桁が沓座から外れているのが分かる


傍らにあった古い橋梁? は大きな段差を生じていた


 大切畑大橋と桑鶴大橋間の坂路はさらに酷く斜面崩壊していた。東行きの1車線が丸ごと崩れている箇所もあった。


大切畑大橋と桑鶴大橋間の坂路はさらに酷く斜面崩壊していた

 そして桑鶴大橋。同橋は1997年に供用された鋼2径間連続斜張橋である(元請:日立造船)。西側の橋台部および伸縮装置は損傷はあまり見られない。しかし主塔部に行くと南側の沓座が外れている。東側の橋台部では桁が衝突し、支承が破壊され転げ落ちていた。主塔部の移動から見て北側に斜めに桁が動いたのだろうか、橋軸方向および橋軸直角方向に交互に動いたのだろうか、地震の力に驚嘆するほかない。また照明柱にはケーブルがこすれた後があった。地震時にどれだけケーブルがうねり、桁が動いたのか、詳しくは専門家にゆだねるしかないが同行していただいた山中氏と顔を見合わせて唸る。


西側の支承には損傷は見られなかった


主塔部は桁が沓座からずれていた/東側の橋台部では桁が衝突し、支承が破壊され転げ落ちていた


転げ落ちた支承の拡大図/東側端部で段差が生じていた、桁も若干横ずれしている