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国道357号西行きを夜間通行止めして施工

東日本高速道路 外環道高谷JCTCランプ橋を夜間架設

公開日:2016.04.01

 東日本高速道路は、3月26日深夜から27日未明にかけて、外環道高谷JCTCランプ橋のうち国道357号直上を跨ぐ部分35㍍を架設した。国道357号は、平日の断面交通量が約9万台に達する重交通路線である。今回の架設では、東京方面の西行きを午前0時~5時まで通行止めした。今回の架設は、国内最大級の1,250㌧吊りクローラクレーンを使用した、大型ブロック一括架設工法を採用した。高谷JCTの工事では、国道357号や東関道・首都高湾岸線に囲まれた狭いヤード内で、桁の地組み立てと架設をする必要があるため、これ以外にも、施工条件に応じた架設工法(トラベラークレーン張出し架設、送出し架設および回転横取り架設など)を採用している。


ランプ橋の概要と架設ブロック位置

今次架設詳細図

国内最大級1,250㌧吊りクローラークレーンを採用 

 今回の架設で使用した1,250㌧吊りクローラクレーンは、ミック(名古屋市)が保有。橋梁架設用としては国内最大級であり、同クレーンはメインブームが48㍍、ジブブームが48㍍で、主ジブのブーム角度は88°まで対応可能。重量はクレーン本体で820㌧に達し、カウンターウェイトは660㌧に達する。クレーンの組み立ては、120台のトレーラーで設備ブロックを輸送し、2週間かけて行った。


クレーンの組み立て完了状況/カウンタウェイトおよびフック形状

 1,250㌧吊りクローラクレーンよる一括架設工法は、狭小な地組ヤードや国道を通行止め規制可能な曜日が週末の夜間に限定されることから、吊能力や作業半径が大きく、かつ、架設ブロックの大型化により国道上の規制回数を減らせる目的で採用した。すなわち、今回を含め4つのブロックを地組立てし、同クレーンでAランプ橋、門形鋼製橋脚の横梁、Cランプ橋(2ブロック)の大型ブロックを一括架設した。


1250㌧吊りクローラークレーンの能力/今回架設した鋼桁の詳細位置

スムーズに据え付け完了既設桁をを交わしつつ約30㍍吊上げ

 今回の桁は長さ35㍍、鋼重134.5㌧で、これを午前0時(同時刻は通行止め開始のため厳密には通過車両がいなくなったことを見計らい0時10分程度に開始)から1時半までの90分間で国道357号の既設桁を交わしつつ約30㍍吊上げ、時計回りに25°旋回し、すでに架設している桁の間に据え付ける計画を立てていたが、実際には4回目ということもあり1時間程度で据え付けを終えた。据え付けにおいて、特に架設後全周溶接するJ54の仕口は開先調整を減らして架設時間を短縮し、その後の溶接をし易くするため、できるだけ精度良く施工するよう心がけた。また桁色は景観に配慮して茶色を採用しており、跨道橋部はいずれも溶射を採用している(調色のためトップコートは施している)。今回の工事に携わった人員はJV職員が14人、下請のミックが4人、橋梁特殊工(とびなど)が20人、クレーンオペレーターが3人、クレビスジャッキのオペレーターが1人の計44人となっている。


1250㌧吊りクローラークレーン

跨道部の桁は溶射を採用し、調色を施している/離れてから写すとクレーンの規模感が分かる

徐々に吊り上がっていく

旋回し、据え付け位置に近づいていく(上下とも)


据え付けがほぼ完了した状況

今後も安全に細心の注意を払う
 平成29年度の供用目指し今夏に全ての桁架設完了へ

 同橋の上部工工事を担当する駒井ハルテック高田機工JVの本條順一現場代理人は。今後の工事について「重要幹線上での橋梁工事であることから、施工中の飛来落下や転落事故を起こさないよう、更なる注意を払っていくことが大事だと考えている。また、本工事に携わる者全員が、安全に工事を進めていくという、共通認識を持つことが重要と考えている」と述べた。
 高谷JCTの橋梁工事は、今夏までに桁架設を完了させる予定。その後、床版工(合成床版)、防水工、舗装などの施工を進める。
 同ジャンクションを含めた、外環道三郷南IC~高谷JCT間15.5㌔の供用は平成29年度を目標に工事を進めている。(井手迫瑞樹、2016年4月1日掲載


高谷JCT完成イメージ

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