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契約、工事の2段階方式で締結

首都高速 高速大師橋の更新事業 契約手続き(案)を公表

 首都高速道路は、高速神奈川1号横羽線の多摩川渡河部に架かる高速大師橋について、更新事業の契約手続き(案)を公表した。渡河部のうち橋長292㍍の鋼橋区間を同じ箇所に架け替えるもの。5月上旬に手続開始の公示を行い、技術提案書の提出、技術対話などを経て、9月中旬には基本協定書、実施設計契約の締結、価格等交渉を経て29年4月に工事契約の締結を行う2段階方式で契約する。これは、実施設計を経て河川管理者との協議に望み、実際の協議を経て価格も含めた工事の詳細を詰める必要があるため。工事着工は29年11月上旬になる見込み。工事期限は平成36年2月29日まで。


概略工程(以下、首都高発表資料より抜粋)


 高速大師橋は、昭和43年に供用された橋長292㍍の3径間連続鋼床版箱桁橋で、下部工はRC橋脚、基礎は河川部が鋼管杭、陸上部が場所打杭という構造だ。多摩川への影響を極力抑えるために、支間長を長くし上部工を軽量化した結果、1日89,000台(平成27年10月の平日平均値)の交通量とあいまって、多くの疲労亀裂が発生している。このため、橋梁全体を架け替えるもの。


大師橋の架橋位置と既設構造


損傷状況


上部工は鋼3径間連続鋼床版箱桁形式に固定

 橋脚は工種を問わない

 架け替えの概要は下記の表のとおり。上部工は鋼3径間連続鋼床版箱桁橋形式(鋼重3,500㌧)に固定した。橋脚工は4基の更新を予定しているがRC、鋼など種類を問わない。鋼橋の前後はPC桁であるが「桁が掛け違い構造になっている」(首都高速)ため、多少の補強工事を必要とする。



工事範囲


技術提案・交渉方式を試行的に実施

 契約においては、改正品確法第18条に基づく「技術提案・交渉方式」を試行的に実施する。大師橋の更新は河川内施工のため、河川管理者による協議が必要であるが、河川管理者による許可は、実施設計に基づく河川管理者協議により確定した構造及び施工法(仕様)にのみ与えられる。そのため工事契約に先行して、設計契約を施工予定者と締結し、施工予定者による実施設計に基づき、河川管理者協議に基づく工事契約の締結が必要になる。そのため、「国土交通省直轄工事における技術提案・交渉方式の運用ガイドライン(H27.6)」に基づき、「技術提案審査・価格等交渉方式(設計交渉・施工タイプ)」を試行的に実施する。

 また、工事参加資格に関しては、「土木工事」、「鋼橋工事」、「PC橋工事」の異工種JVを組織することが求められる。構成員は土木工事が1~3者、鋼橋工事が1~3者、PC橋工事が1者を想定し、構成員の総数は最小2者、最大7者とした。異工種JVにおいて構成員が複数の種別の工事を実施することは妨げない。また工事参加資格については個別の会社に求める要件、配置予定技術者に求める要件も細かく定めている。


契約手続き概要


契約手続きの流れ(左)/概略契約スケジュール(案)(右)


6点の評価項目

 架設しながらどのように交通を切りまわすか

 技術提案の評価項目は6点を挙げている。

 具体的には、①事業の実施方針(提案構造に関する設計上の留意点等)、②工程に関する工夫(車線規制及び通行止め期間を極力短縮するための工夫等)、③コスト縮減・管理に関する工夫(コスト縮減、コスト管理に関する工夫等)、④周辺環境への配慮(沿道環境、河川内施設等への配慮・工夫等)、⑤耐久性・維持管理性に関する工夫(維持管理費縮減に関する工夫等)、⑥安全管理・品質確保に関する工夫(工事中の河積阻害を極力抑えるための工夫等)――。

 特に同橋は89,000台の交通量を誇り、なかなか別の路線に切りまわすことは難しい。従って技術提案としては、仮橋か、もしくは架設方法を工夫することにより交通を止めずに施工を進める方法が想定される。それにしてもどの程度切りまわしなどにより大師橋の交通状況が変わるか、擬態的な想定条件がなければ提案は難しい。そのため首都高速では、手続き開始の公示と合わせてそうした条件についても工事参加各社に明確にしていく方針だ。

 東品川桟橋・鮫洲埋立部の更新事業では、既設基礎の残置がある程度認められたことが、工事に携わる業者負担を軽くした。今回の大師橋更新事業に関しても、既設基礎の撤去の多寡がどの程度になるか(ある程度の残置が認められるか)が、工事の難易度やコスト縮減の観点から重要になりそうだ。 


 実施設計および価格等交渉に関しては、首都高速道路と優先交渉権者との間で基本協定書を結ぶ。各種交渉手続きが定められており、また、交渉が不成立になった場合でも実施設計契約に基づく完了検査および支払は行う、次点以降の交渉権者は、必要に応じて当初の受注者の成果品を参考にできる――などの内容も定められている。