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現場を巡る詳細

最小曲線半径57.7㍍、仕口精度はほとんど誤差なしに施工

NEXCO中日本名古屋 東名高速を止めてランプ橋を架設

 中日本高速道路は、1月30日夜から31日早朝にかけて東名高速道路の名古屋IC~春日井IC間(1日交通量5万5千台)を夜間通行止めして、守山SIC・Cランプ橋(東名高速跨道橋)の夜間架設を行った(施工箇所は左図参照)。架設は多軸式特殊台車(最大載荷重250㌧、6軸(8列48輪)台車)を4台(1支点2台)使い、橋桁を高速脇のヤードから架設地まで移動させ架設させるもの。桁長は55㍍、最小曲線半径は57.7㍍と厳しく、仕口にねじれが生じる可能性や、クリアランス確保および桁のたわみに対応するため、上げ越し量の設定や微調整が必要であり、1夜間で完了するには非常に高い技術を必要とする現場である。詳細をレポートした。


橋梁概要(左)/架設ステップ(右)


 同橋は橋長129㍍の鋼3径間連続非合成箱桁橋で径間長は31.2+55+35.8㍍。今回架設するのは(P1から4.8㍍P2側に位置する接合部)J4~(P2から4.7㍍A2側に位置する接合部)J10間の55㍍で鋼重は170㌧。既にA1~J4の側径間は架設を終えている。J4側は脚部でなく空中部での添接である。上げ越しも相当量あることに加えて、架設する桁が曲線であることからP2側はアップリフトが発生するため、センターホールジャッキで引き込み、アップリフト止めを行わなければならない。また、P1側は仕口がねじれる(主にL側の方向に回転する)ことが予想されるため、仕口は下フランジからボルト穴を合わせて上フランジ側にゆがみ調整用のジャッキを設けて対応した。


Cランプ一括架設上げ越し量(左)/仕口合わせのステップ(右)

 架設に用いる多軸式特殊台車の位置は、高速道路の形状などの制約の中で決めなくてはいけない(左図は移動台車の軌跡)。本来「曲線桁はもっとバランスの良い所で受けたい」(田中健史現場代理人)が、現状では、P2側の張り出し桁長がどうしても長くなるためP2側の台車に130㌧、P1側に70㌧と偏荷重が生じてしまう結果になり「より桁にねじれが生じる状況になり、桁そのものが撓んで、仕口が垂れた状態になってしまっている」(同)。また、現場の桁下クリアランスでは桁のたわみ量が大きく、「めいっぱいストロークを下げても、架設に用いた移動台車が抜けられない」という現象が起きてしまう。その対策として、仕口合わせとクリアランス確保に対応するためP1では150㍉、P2では375㍉上げ越しして架設し、P1、P2上に設けているジャッキで所定位置に降下させる手法を採用した。


少しずつ多軸式特殊台車(マックスキャリア)が移動していく


J4ブロック側桁先端部にはセッティングビームを配置


4台のマックスキャリア(左)/J10側は少し垂れ下がる状態にある


曲線半径は57.7㍍と厳しい(左)/仕口合わせもほとんど誤差なく施工できた(右)

 具体的には、多軸式特殊台車で進入しユニットジャッキで桁の高さ調整、多軸式特殊台車で桁の位置調整を行った後、P1橋脚上のジャッキと桁に設置した調整冶具を使用しJ4の仕口を合わせ添接。P2のたわみ分(150㍉)をジャッキアップし、反力を橋脚桁上のジャッキに受けた後、ユニットジャッキを降下させ移動台車の反力を解放。台車を退去させた後、主桁を4回に分け交互にジャッキダウンしP1側で計150㍉、P2側で計375㍉降下させる。P2側のG1桁(曲線桁の内側)には負反力が生じるため強制変位を50㍉導入しアップリフト対策を行い、主桁をラッシング(固定)して完了した。


P2橋脚側はアップリフト止めを行った

 タイムラインは下表のとおり。実際には道路規制がスムーズに進み、30分早く架設に着手することができた。仕口合わせも「ほとんど誤差なく施工でき、添接が出来ない場合を想定して準備したセッティングビームに荷重を預ける必要も無かった」(同)。多軸式特殊台車の退出も予定より早く完了するなど、工事は順調に進み、30分早く通行止めを解除した。


守山SIC・Cランプ橋のタイムライン/退出する多軸式特殊台車


台車退出後はジャッキダウンして所定の位置へ降下

 なお、同Dランプも2月6日夜~7日早朝にかけて東名高速を止めて夜間架設している。

 元請は東京鐵骨橋梁、多軸式特殊台車(マックスキャリア)はミック、ジャッキ設備は大瀧ジャッキ

(2016年1月30日取材、井手迫瑞樹)