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阪神高速 大型FC船「武蔵」を使って架設・撤去

港大橋の橋梁点検台車を最新鋭に更新

  阪神高速道路は大阪港を跨いで築港と南港を結ぶ港大橋の橋梁点検台車の交換を7月4日深夜から5日未明にかけて施工した。老朽化した既存の橋梁点検台車(昭和59年設置)を、能力を向上させた新しい橋梁点検台車「愛称Dr.RING」に換えるもので、既設のものと比べて足場面積を増やすことで接近面積(橋に接近して点検、補修できる面積)を25%向上させた。また、素材にアルミニウム合金を使用することで足場面積が増えたにもかかわらず、既存台車とほぼ同じ重量(80㌧)とした。総工費は15億円。4日深夜からの施工では、港大橋およびその近傍区間を一夜間通行止めし、吊能力3,700㌧を有する巨大クレーン船「武蔵」によって新点検台車を架設、既設台車を撤去した。現場を取材した。(井手迫瑞樹)


 新設台車の特徴

 新設台車の特徴である接近性能を支えるのが、既設台車にはないシャフトだ。既設台車は上の台車からゴンドラを吊り降ろして点検作業をこなしていたが、揺れなどが生じるため施工性や安全性の面で課題があった。新設台車は高さ約30㍍の金属製シャフトを上部台車の左右に配し、そこに昇降足場や点検ゴンドラが装備されているため、揺れなどを気にせず、港大橋の桁側面の点検や軽い補修などの作業を進めることができる。


(写真左)新橋梁点検台車(上部台車)のイメージ図/(写真右)撤去された既設橋梁台車

 また、中央径間部と端部の(桁高がある程度の範囲に収まっている部分の)動力を持たない下面足場(これも新設)とはシャフトを介してドッキングすることで動かすことができ、既設の移動足場では点検困難で、規制した上で橋上から点検せざるを得なかった桁下部分などの点検も容易に行えるようにしている。また、下面足場にもリフターが付いており、トラス桁の内側に接近して点検できるようにしている。なお、下面足場へはシャフトを昇降する昇降足場を用いて安全に乗車できるように導線を確保している。


Dr.RINGの概要図

 また、素材にはアルミニウム合金やステンレスなどを使用しており、軽量化もさることながら、防食性能も鋼に比べ向上している(但し、鋼部材と同様に重防食塗装(フッ素樹脂トップコート)を施す)。

 維持管理においては重防食塗装を手厚く施すほか、点検マニュアルも台車独自のものを制作し、機械装置類の点検整備を中心としたメニューで構造物の維持管理に比べて高い頻度で点検・補修を実施して行く。