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現場を巡る詳細

千駄ヶ谷付近のゲルバー構造を持つPC箱桁橋

首都高速 供用しながら3カ所のゲルバー部を改良

 首都高速道路は西東京管理局管内高速4号新宿線の東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目付近に架かる5径間のゲルバー構造を持つPC箱桁橋について改良工および床版補強工、コンクリート片剥落防止工を施工している。(井手迫瑞樹)


 同橋は橋長164.15㍍のゲルバー構造を有する片側2径間ずつのPCラーメン箱桁の中間部に吊桁として単純PC箱桁がある構造をしている。ゲルバー部は橋脚番号4193(以降仮にP2)の3㍍橋脚番号4194(以降P3)側(GE1)、P3の2㍍P2側(GE2)と橋脚番号4196(以降P5)の2㍍橋脚番号4197(以降P6)側)GE3)の計3カ所にある(下図、上が現状、下が対策予定)。



 こうした構造は昭和40年代に多く採用されているとのこと。理由は単純桁を数径間並べるよりも曲げモーメントが小さくなり、連続桁相当の支間長、桁高で計画できることから連続桁よりも経済的で連続桁の長所も有したためだ。こうした構造は西管理局管内でも羽田線(東京モノレール高架下付近)、目黒線(西五反田付近)、新宿線(千駄ヶ谷付近)、池袋線(西台付近)など計13箇所存在している。

 大型車交通量の増加と、ゲルバー部の応力集中により損傷が懸念されていたが、受桁部のコンクリートにひび割れが生じていることやゲルバー部の支承が圧壊するなどの損傷が生じていることから改良を行うもので、GE1については連続化、GE2については支承の交換、GE3についてはフルウエブ化を図る(連結はしない)。


(左)支承の圧壊/(右)PC鋼線を露出させた状況

 当初は①GE1、GE2とも連続化する5径間連続ラーメン箱桁橋、②5径間を連続化するがP2とP4の剛結構造を支承構造化する手法、③橋脚番号4191(以降A1)~GE1までを一体し、P3の天端部をGE2まで伸ばし支承で受ける案などが模索された。しかし①はP2とP4が地震時の水平力に耐えられず大規模な補強が必要になる、②は支承化個所に大規模な沓座の拡幅が必要になる、③はP2~P3間の高架下を通る外苑西通りへの影響が懸念される――ことから、現行の方式に落ち着いた。


P2~P3間の高架下を通る外苑西通り


足場も工夫している


 事前の点検

 施工にあたっては橋梁の健全性を事前に把握する必要があるが、PCグラウト充填状況の調査など躯体を削孔する場合、既設の鉄筋・PC鋼線を傷めないように、電磁波レーダーによる非破壊検査で鉄筋探査を入念に行っている。