HOME現場を巡る一覧阪神高速 今年度内に塗膜除去方法マニュアル化へ

現場を巡る詳細

ミストブラスト、塗膜剥離剤などを試験施工

阪神高速 今年度内に塗膜除去方法マニュアル化へ

 2014年5月30日に厚生労働省と国土交通省から出された行政文書「鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康被害防止について」に基づいた作業をどのように実施するかについて、全国的に対応が分かれている。そうした中、阪神高速道路は、一般部と桁端部とに分け、塗膜剥離剤やミストブラストなど様々な手法を試している。同社では今年度中にも検討結果をまとめ塗膜除去手法をマニュアル化する方針だ。(井手迫瑞樹)


鋼橋塗り替え総面積は約1400万平方㍍

 鉛含有塗膜は全体の3分の2に達する

 阪神高速道路の鋼橋塗り替え総面積は約1400万平方㍍におよぶ。そのうち桁は87%、橋脚は7%、その他6%となっている。平成25~27年度緊急修繕事業として総計約43万平方㍍を塗り替える予定で、今年度は大規模な鋼橋の塗り替え塗装工事を新規発注する予定はない。そのため今次の鋼橋塗膜塗り替えの検討は「ちょうど良いタイミングで行われている」(足立幸郎 同社保全交通部保全企画課長、以下「」括弧内同じ)。

 塗膜に含まれる有害成分として、まずPCB含有塗膜は港大橋で疑われたが、詳細調査の結果含まれていないことが分かった。より古い時代に使われ、毒性の強い鉛丹(四酸化三鉛(Pb3O4)を主成分とした塗料で鮮やかな朱色が特徴)が含まれる塗装は33%、鉛入り錆止めペイントは34%の面積で存在することが分かっている。鉛系以外ではジンクリッチペイント系が32%、その他が1%程度となっている。

 鉛含有塗膜がまだまだ多く残っているため鋼橋塗膜塗り替え計画の策定は「細心の注意が求められる難しい作業」と認識している。鉛丹含有塗膜については、「塗膜付着力については現在の基準を当てはめると不足しているが、外力を与えなければ取れることはない」としている。一方で郊外ではなく市街地の橋梁に多く含まれているため「本当は1種ケレンしたい箇所であるが、施工環境は厳しい」、そのため平成10年代に3種ケレンで施工して以降はいったん塗り替えを止めている状況だ。現在は「緊急度の高い塗膜劣化が顕在化していない」ことから、市街地の一般部については当面1種ケレンによる塗り替えは考えていない。但し市街地の桁端部については漏水等による損傷が見られることから、優先度を判断しつつ塗り替えを検討している。


養生しつつ施工していく