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静的載荷試験をWeb公開

国交省神戸港湾事務所 新港・灘浜航路部の2P主塔部において鋼管矢板井筒基礎の杭の鉛直載荷試験を実施

 国土交通省近畿地方整備局神戸港湾事務所は、大阪湾岸道路西伸部における海上長大橋の技術検討の一環として、新港・灘浜航路部の2P主塔部において鋼管矢板井筒基礎の杭の鉛直載荷試験を実施している。φ1,500mm、長さ60mの鋼管杭を海面下約55m(実際の根入れ深さは約43m)まで打設した後、杭頭より大型の油圧ジャッキで30,000kNの荷重を載荷することで、長大橋を支える地盤の強さの正確なデータを取得し、設計や施工に反映しようというもの。φ1,500mmは東京ゲートブリッジと同サイズ。28日にはマスコミに対して、試験中最も大規模で重要なデータを確認する静的載荷試験をWeb公開した。(井手迫瑞樹)


2P主塔基礎で試験施工している

試験実施位置詳細図

 静的載荷試験は、下写真のような設備を用いて行った。

 試験杭は試験設備(幅15×16m)の中心に据えられ、その上に杭を押し込むため杭頭部に1基10,000kNのジャッキを4基、台座の上下のプレートに挟み込む形で設置している。ジャッキの上には載荷桁(桁高2m以上を有するビルドHのI型鋼)を2本固定した形で、油圧ジャッキを押し込む反力とする。この載荷桁で受けた反力は両サイドにある反力桁に伝達させる。上部の反力桁の4隅には反力杭(試験杭よりも深めに根入れしている)が設置されており、この4本の反力杭および反力桁で反力を分担し荷重を確実に試験杭へ伝達させた。実際に反力を伝えるのは、反力伝達用の36mmのPC鋼棒を各反力杭に18本ずつ繋げており、均等に載荷桁に力を伝えるような形で実験を進めていった。試験では1日かけて15cmほど沈下させ、地盤の強さなどのデータを取得した。


試験設備(左:空撮、右:近景)

載荷ジャッキと試験杭/四隅の反力杭

 新港・灘浜航路部には中央径間を均等割り(端部390m、中央3径間が650m)にした鋼5径間連続斜張橋(4本主塔)構造で、基礎は矩形の鋼管矢板井筒基礎を想定しており、海底にφ1,500mmの大口径鋼管矢板を海面下55m程度まで打ち込む必要がある。実際の杭の施工方法は、下半分をバイブロハンマーで全周を打ちこみ、次いで上杭と繋げた後、油圧ハンマーで打ち止めする手法を想定している。

 事前に実施した土質ボーリングによる調査結果では、地盤自体が薄く粘土層と砂層が不均質に互層していることが分かっている。そのためさらに詳しいデータを取得すべく、3月末~4月初頭にかけて衝撃載荷試験、今回の静的載荷試験、6月中旬に急速載荷試験を全て同一地盤で行っていく。他の主塔基礎についても、「今回の試験結果を把握した上で、試験方法を精査し、他の主塔部でも何らかの試験をしていきたい」(神戸港湾事務所)としている。


神戸港地質縦断図
(2020年5月28日掲載)