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身延町奈良田地区 仮桟橋はLIBRA工法を採用

山梨県 台風19号による被災から県道南アルプス線を仮復旧

 山梨県は、2019年10月11日から12日にかけての台風19号により被災した県道南アルプス公園線の山梨県南巨摩郡早川町奈良田地内の道路の復旧工事を進めている(担当部署 峡南建設事務所身延道路課)。仮歩道の設置及び、道路の仮復旧作業は仮桟橋(LIBRA工法)工法により昨年11月末までに完了しており、現在は本復旧の設計を進めている。その現場を取材した。

 身延は、日蓮宗の身延山久遠寺で名高い。駅周辺は大河である富士川が流れる。駅から車で少しばかり西を走ると中部横断道路の建設が真っ盛りだ。現場はそんな平坦な地ではない。県道南アルプス公園線をひたすら西北に、富士川支流の早川沿いに走り、奈良田湖の手前(南側)に位置する箇所に合った。現場までの道すがらでも少なくない箇所でがけ崩れが見られた。閉鎖中の道路もあった。


現地の24時間最大雨量は445mmを記録
 崖錐堆積物が流失

 現地において台風当日の24時間最大雨量は445mmを記録した。時間最大雨量は35mm/h(西山ダム近傍、西山観測所)である。

10月12日午前6時には県道を全面通行止めとした。さらには翌13日のパトロールで、道路が崩壊していることが判明した。豪雨により、地表水による地山の浸食や路側擁壁基礎部の洗堀が始まり、併せて、地下水位の上昇による背面土の流出を原因とした擁壁の転倒・沈下が起きたものと想定される。流出した土砂成分は強風化岩層の上にある崖錐堆積物層であった。

被災原因概要図(山梨県峡南建設事務所提供、以下注釈無きは同)

 その路側擁壁の崩壊により、全幅員7mの山腹道路が延長約35mに渡り崩壊し、全面通行止めとなった。通行止めされた先には36軒が孤立、朝夕小学生が4人通学していることから早期の復旧を必要とした。

被災写真①

被災写真②

 そのため、発災後、山梨県は、直ちに災害協定に基づいて一般社団法人身延建設業協会及び山梨県建設コンサルタンツ協会並びに山梨県測量設計業協会に応援要請を行い、早期復旧のための検討に着手した。


 また、当面の間、車両通行が不可能な状態であることから、孤立地区へ徒歩で連絡するための仮設歩道の設置に13日に着手、15日には斜面沿いに設置した。

仮設歩道を緊急設置

仮設歩道を緊急設置
 道路仮復旧に仮桟橋工法(LIBRA工法)を採用 
 どうすれば最短期間で車両通行可能な仮道を供用させることが出来るかについて主眼に置き、測量、設計を進め検討した結果、12月初頭には林道が冬季閉鎖されるため、復旧に要する期間がそれまでに間に合う、非常に短期間で施工できることが予想される仮桟橋(LIBRA工法)を選定した。選定理由は、①地組した鋼製パネルを先行架設し杭打設の導材とするため、桟橋工のうち最も不定形で煩雑な作業となる傾斜面への導材設置が不要である、②従って、本工事の場合には崩落した斜面上での不安定で危険な足場上の人力作業が少なく、安全性が高い、③杭打ちは、ダウンザホールハンマにより岩盤や転石に直接杭を打つことが可能であるため、今回の現場では崩落したコンクリート塊の全面的な撤去をすることなく、工事着手が可能であった、④2か月弱の短期間で施工できる――ことが評価された。

仮桟橋工法一般図