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現場を巡る詳細

ゲルバー及び橋脚有する3径間RCT桁を単純ポータルラーメンプレビーム合成桁へ

富山市 八田橋の架替えが最終盤

 富山市が進めている八田橋の架替えが最終盤を迎えている。旧橋は橋長30㍍程度の3径間RCT桁橋のゲルバー桁で、ゲルバーはP1とP2のいずれも中央側に有しており、そこにクラックが生じていた。また、床版下面に鉄筋露出、コンクリート剥落も生じていた。そのため、橋長36・342mの単純ポータルラーメンプレビーム合成桁橋への架替えを進めているものだ。既に上流側の架替えは2018年3月に完了し、現在は、2018年度から下流側の架替えを始めている。 最盛期は職員4人、技能者16人が従事していた現場を取材した。(井手迫瑞樹)


損傷状況

 そもそも、過去2回の市が行った定期点検で、請負った点検者は、ゲルバーがあることそのものを認識していなかった。しかし、土木学会の小委員会で再度点検を行った結果、八田橋がゲルバー構造を有する橋梁であること、およびゲルバー部の損傷が激しいという結果が出たことからその対策検討が始まった。当初は、緊急補修の計画を立てていたが、1日約20,000台という交通量の多さ(による損傷の進行)とLCCを考慮すれば架け替えたほうが良いのではないかという判断に傾いた。また、後でわかったことであるが、八田橋の上部工はもともと木橋で、これを(下部工や基礎工に手を入れず)RC桁に架け替えた可能性が、OBの話から出てきた。

上下線の真ん中にライトレールが走っている。文字通り隣接だ

 一方で八田橋は橋梁の真ん中に富山ライトレールが走っている。これはRC桁ではなく、同形式の橋梁の真ん中を切り欠いて新たに鋼桁をかけているものだ。今後、ライトレールの複線化に伴って、橋のたもとに電停を設ける計画があり、その計画が進むと架け替えは一層困難になる。そのため今回のタイミングで架け替えることにした。


架替え計画

 元々は木橋であったため30㍍程度の橋長でありながら径間を3つも有していたが、現在の技術や河積阻害率(県管理のいたち川を渡河する)を考慮すれば、橋脚は不要なため単純桁に架替えることができる。そのため、橋台の位置は現状から両端ともに若干後ろへ下げた。

八田橋下り線橋梁一般図

 上部工は単純ポータルラーメンプレビーム合成桁橋を採用する。橋長は約36㍍。ポータルラーメンを採用することで維持管理構造上弱点となる支承や伸縮装置を省略した。設計はアンジェロセックが行い、製作・工事は上下部一括で発注しており、佐藤工業を筆頭としたJVが受注している。なお、架替橋は既設橋脚と縁を切っている。

 設計業務を発注するに当たっては、橋梁形式の提案を含めたプロポーザル方式で設計業者を選定した。そこで選定された当初形式はダックスビームのポータルラーメン橋でしたが、斜角があることから、より現場に適しているプレビーム合成桁を採用した。工夫としては、通常の2点載荷のプレフレクションではなく、(高岡市の千保川渡河部の木津橋などで実績のある)3点載荷のプレフレクションを採用し、2点載荷に比べ桁高を1割弱抑制した。剛結構造であるため上下部の取合部は非常に過密な配筋となっており、コンクリートの打設も気を付けていく必要がある。

 また、アーチフォーム(KKフォーム:押出し成形法により製造された繊維補強セメント板)を使用することで、床版や桁の施工の省力化、耐久性の向上を図った。

 調査設計・施工を考慮するにあたってCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を採用し、念入りにシミュレーションした。また、住民説明時にも用いて大きな効果を上げている。

CIMを地元説明に用いた


同上部構造一般図