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NEXCO東日本 圏央道 桶川第5高架橋で採用

RCプレキャスト壁高欄で工程を約半分に短縮

 NEXCO東日本は、整備を進めている圏央道(桶川北岡IC~白岡菖蒲IC)の桶川第5高架橋(工事中名称)の工事において、工程短縮を図るため、上下線の約8割1,267㍍にRCプレキャスト壁高欄 を採用し、施工を進めている。従来の現場打ちでは3カ月程度かかる工程が1カ月半程度に短縮できる見込みだ。


 同橋は内・外回り線それぞれ橋長394.5㍍、鋼重約1,250㌧の鋼7径間連続開断面箱桁橋(床版は合成床版)、上越新幹線の上空を通過する橋梁であり、工事には細心の注意が要求される一方で、工程をできるだけ短縮する観点から現場での施工が軽減できるプレキャスト製の壁高欄を採用したものだ。

 RCプレキャスト壁高欄は、NEXCO総研、開発虎ノ門コンサルタント、デイ・シイによって開発された製品で、従来と同等のコストながら、施工性および耐久性を高めた。


           継目部分の工夫

 40N/平方㍉の高強度コンクリートを用い、橋軸方向の壁高欄継ぎ目部分には、オス側を孔明き鋼板ジベル(PBL)、メス側を縞鋼板からなる台形型の箱断面により接合する手法を開発し、車両衝突時の安全強度を高めている。また、コンクリート床版と壁高欄との接合は床版上面側に配筋されたループ鉄筋にプレキャスト壁高欄の矩形ループ鉄筋を重ね合わせ、かつそれらのループ鉄筋内に、橋軸方向へ連続する複数の補強鉄筋を配置し、高強度モルタルを打設して一体化する。

 また、高炉スラグ微粉末を使ったコンクリートを採用しているため遮塩性が高く、凍結防止材散布による塩害には高い抵抗性を有している。


                   工程の概要  

 工程は、トラックで製作工場から運ばれてきたプレキャスト壁高欄(標準ブロックで1ブロック当たり長さ4,000㍉×高さ775㍉、厚さ250㍉、重量2.5㌧、但し上越新幹線の交差部の隣接径間では高さを979㍉、厚さを350㍉に増やしているため重量は4.0㌧となる)を①16㌧吊りラフタークレーンを使用して仮置きし、②同様のクレーンを用いて現場に仮据え付けする。仮据え付けの際には壁高欄の下に設けているボルトを使って自立させるとともに高さを調整する。


                      16㌧クレーンを使って現場に据え付ける。ボルトで高さを調整

 次に③ジャッキを使ってさらに位置を微調整し、④壁高欄と床版との間に型枠や支保工を配置、⑤高耐久無収縮モルタルを注入し、⑥養生後脱型し、仕上げ工を施して完成となる。こうした作業を据付け、調整、型枠、モルタル注入、脱型・仕上げの各班3人ほどが追いかけながら効率的に施工している。


                      慎重に位置決め


                               型枠の施工


新幹線部は部材厚、高さとも大きくなる。なお、通常タイプのRCプレキャスト壁高欄との打継ぎは現場打ちとなる


 また、施工前には、「床版の高さによって、高欄を据付ける高さが変わるため、据付け前に詳細に調査して、できるだけ施工時の手間を減らすようにしている」(元請のJFEエンジニアリング・横河ブリッジJV)。また、「モルタルの注入量が非常に多く、最初はどうしても漏れが多量に出た。そのため型枠の固定方法などを改善しながら施工している」(同)。

 品質面では工場施工のため、現場打ちと比べて「表面に気泡などがなく仕上がり面もきれい」(同)としている。

 今後、NEXCO3社では大規模更新に伴い、短時間での施工が要求される床版の取替え事例が増えることが予想される。そうした個所においてRCプレキャスト壁高欄は、大幅な工程短縮が図れる工法として選択肢になりそうだ。(井手迫瑞樹)