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ダブルツインジャッキを用いて送り出し

国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所 行徳橋(新橋)の中央径間を架設

 国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所は、5月9日から13日にかけて架替事業を進めている行徳橋の新橋において、江戸川を渡河する中央径間(P3~P4/支間長104.5m)の桁を送り出し工法で架設した。架設桁は桁長約84mで手延べ桁約66mと後方桁を合わせると全長約160m、送り出し重量は約1,000t(手延べ桁含む)に達した。送り出し架設は7日に試験引き12mを実施した後、9日50m、10日55m、13日40mと3回に分けて施工した(送り出し長は合計157m)。



架設ステップ図(拡大してご覧ください)


架替で全幅を約5m拡幅

 基礎の施工では旧固定堰の基礎がネックに

 現橋は行徳可動堰の建設にともない、1956年に供用された江戸川河口部の千葉県市川市稲荷木~同市河原間に架かる橋梁で、千葉県道6号として供用されている。供用後60年が経過し老朽化が進んでいることなどから、行徳可動堰の管理橋架設と共同で行徳橋の架替を実施することとした。なお、行徳可動堰の老朽化対策・耐震対策は2014年度に完了している。



現橋(井手迫瑞樹撮影)


 新橋は橋長404.4mの鋼7径間連続非合成合成床版箱桁橋。全幅は現橋の7.45mから12.5mへ拡幅され、歩道部も現橋の1.5mから4mに拡幅されるなど歩車ともに通行しやすい構造としている。



平面図(国土交通省江戸川河川事務所提供)


 新橋の下部工施工にあたっては、行徳河動堰の建設前に供用されていた行徳堰という固定堰の基礎がネックとなった。同堰はいわゆる石張りの床固め工で、基礎は松杭で施工していた。同堰は可動堰の建設にともなって撤去されたが、基礎の松杭は撤去されていなかった。基礎工はA1、P1、P6、A2が鋼管杭でそのほかの橋脚はすべて鋼管矢板井筒基礎を採用している。基礎の深さは概ね30m前後だが、「杭の先端が松杭にあたり基礎の施工には苦労した」(同事務所江戸川河口出張所)という。橋脚は主にRC小判型橋脚を採用した。



下部工の施工(国土交通省江戸川河川事務所提供)


A1~P3間とP4~A2間はトラッククレーンベント工法で架設

 送り出し桁は13ブロックに分けて運搬、現場でボルト接合

 上部工の施工は、まずA1~P3間(左岸側)の3径間を2018年11月中旬から12月中旬にトラッククレーンベント工法で架設した。年明けの1月からはA1~P3間に送り出し用の軌条設備の設置作業を行い、2月上旬から2月下旬にかけて送り出し桁の地組をしている。地組完了後に手延べ桁の設置を行った。



A1~P3間の架設(高田機工提供/以下、注釈なき場合は同)


送り出し桁の地組(右写真は地組完了後)


 送り出し桁は高田機工の和歌山工場で製作し、13ブロックに分けて海路と陸路で現場まで運搬し3月下旬から4月中旬にP4~A2間(右岸側)の3径間をトラッククレーンベント工法で架設した後、送出し設備と降下設備の設置を行った。



P4~A2間の架設


送出し装置はダブルツインジャッキを採用

 今回の架設の特徴は、ダブルツインジャッキとエンドレスローラーを使用したことだ。ダブルツインジャッキはラム運動ジャッキとシリンダ運動ジャッキの併設方式を採用している複合ジャッキで、ラム運動ジャッキが稼動して架設物を押している間にシリンダ運動ジャッキが反転戻し運動を行うため、連続稼動が可能となり、工程短縮が図れる。また、エンドレスローラーを使用することで盛替え作業を最小限にできるため、効率的な作業が可能になる。



ダブルツインジャッキ(左は架設前)(右写真:大柴功治撮影)


エンドレスローラーは合計16基設置 

 初日の9日は午前9時から送り出しを開始した。軌条は主桁(G1桁、G2桁)に各2本の合計4本で、1本につき80t台車を縦方向に2台(合計8台)配置して送り出した。

 エンドレスローラーは、受点となるP1・P2・P3上と到達側のP4上にそれぞれ4基ずつ合計16基を設置したが、P4側の4基については駆動式エンドレスローラーを採用している。



軌条は4本。80t台車を配置した/エンドレスローラー


P4側に設置された駆動式エンドレスローラー(大柴功治撮影)


 設計最大荷重はP3上で1ボックスあたり400tとなるが、耐荷能力500tのエンドレスローラー2基(合計1,000t)を設置することにより2倍以上の耐荷能力を確保した。ダブルツインジャッキの送り出し能力は最大で1分間に2mだが、現場条件や安全性を考慮して1分間に0.7m程度で送り出している。





1分間に0.7m程度で送り出していった(大柴功治撮影)


 安全対策では、「計画段階から受点や架台の位置を配慮して反力管理を行った」(高田機工)ほか、逸走防止としてダブルツインジャッキのブレーキング用ジャッキ、台車にレールクランプジャッキの設置を行っている。

 初日の50mの送り出しは午後3時30分に完了した。10日と13日の送り出し完了後、ジャッキを用いて桁を約6m降下させて閉合する。その後、合成床版(チャンネルビーム式)を配置していく。新橋は2019年度末の供用予定。




3日に分けた送り出しの進捗状況


架設完了後の桁降下(木村建設提供)


 上部工元請は高田機工。協力会社は、木村建設(架設工)、オックスジャッキ(ジャッキ工)など。

(2019年6月14日掲載 大柴功治)