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ランプ橋として合理化合成床版を初採用

NEXCO中日本 名二環飛島JCTでR70の曲線桁を含む2径間を同時架設

 中日本高速道路は、2月16日深夜から17日未明にかけて名古屋第二環状自動車道(名二環)飛島JCT(仮称)Bランプ橋2径間の桁を多軸移動台車で同時架設する工事を行った。2径間のうち1径間はR70の曲線桁となっており、ランプ橋としては合理化合成床版を初採用したことが特徴だ。

 飛島JCT(仮称)ではJCT部の桁架設を2016年2月から進めてきたが、本架設により飛島JCT(仮称)の架設が完了した。名二環の名古屋西JCT~飛島JCT(仮称)間(延長12.2km)は2020年度の開通を目指している。


架設工事位置図/架設概要図(NEXCO中日本提供)

Bランプ橋2径間を多軸移動台車で架設

 国道規制の最小化と曲線桁の仕口合わせを考慮

 施工したのは、伊勢湾岸道上り線(四日市JCT方面)から名二環に向かうBランプ橋(橋長353.7m、6径間連続非合成鋼箱桁橋)の国道302号と並走する1径間(PB1~PB2)のJ10-J17と、同国道を交差する1径間(PB2~PB3)のJ17-J26の2ブロックだ。J10-J17ブロックは長さ69.8m、重量216tの合成床版箱桁、J17-J26ブロックは長さ62.9m、重量322tの合理化合成床版箱桁で最小曲線半径が70mの曲線桁となっている。

 多軸移動台車での2径間同時架設としたのは、国道302号の交通規制を最小化するためと、J17-J26ブロックが曲線桁だったためだ。J10-J17は1車線規制によるクレーン架設も可能だったが、一夜間のみの交通規制とするため、および近接・高所作業での第三者災害を極力回避するために多軸移動台車での架設工法を採用した。さらに、J17-J26のみの架設では「曲線桁のために荷重が外側にかかり仕口がねじれる可能性がある。後日のJ10-J17ブロック架設では仕口調整が難しくなる」(元請のエム・エムブリッジ)ことから、多軸移動台車が配置された状態で仕口合わせを行い、桁を連結することにより安定化を図った。



架設ステップ図(赤字の時間は予定時間)と架設一般図(NEXCO中日本提供)


地組み完了後に吊上げ設備を構築して多軸移動台車に搭載

 今回の架設では、JCT内でほかのランプ橋が近接し、架設用ベントも設置されていたことから作業ヤードが限られていて、地組みもそのなかで行わなければならなかった。地組みは昨年8月から開始して、J10-J17ブロックは多軸移動台車搭載位置で可能だったが、J17-J26ブロックは搭載位置から約70m離れたAランプの外側で行い、ヤード内を最終的には180度左旋回させて搭載位置まで移動している。



J10-J17ブロック(左)とJ17-J26ブロックの地組(エム・エムブリッジ提供/以下、注釈なきは同)


J17-J26ブロック地組桁移動計画図


狭隘なヤード内を回転させながら移動した


 地組みにあたっては多軸移動台車に搭載可能な高さで行うことも検討したが、高所作業による転落災害リスクを低減させるために、地上から約1.5mの高さで行った。地組みおよびJ17-J26ブロックの移動完了後には、門構吊上げ設備を構築して、所定の高さまでブロックを吊上げて多軸移動台車に搭載した。



架設ブロックの吊上げ


多軸移動台車への搭載


J17-J26ブロックは架設位置まで約24mを横移動

 架設は国道302号の桜木大橋北交差点から北側約50mまでの区間を20時から翌6時まで通行止めにして行われた。使用した多軸移動台車は「スーパーキャリア」で、J10-J17がJ10側(1号車)・J17側(2号車)ともに3軸+4軸の7軸、J17-J26はJ17側(3号車)が5軸+5軸の10軸、J26側(4号車)が4軸+3軸の7軸だった。

 1軸あたりの最大積載量は60tで、鋼重にベント材やスーパーテーブルリフトなどの設備を加えた台車上の総重量はJ10-J17が456t、J17-J26が602tに達したが、積載荷重は60%以下に抑制している。また、J17-J26は曲線桁を2点で支えることになるため、重心位置を正確に割り出したことに加えて、補強リブも入れて対応した。



架設現場全景。手前が伊勢湾岸道、中央がPB2橋脚


 20時に交通規制を開始し、ヤードフェンスおよび仮設中央分離帯撤去などを行った後、まずJ17-J26ブロックの多軸移動台車が動き出した。21時10分ごろからは分速1~2mで約24mの3時方向へ移動した。



多軸移動台車が動き始める。奥がJ10-J17ブロック(以下、大柴功治撮影)


 国道上への進出では、作業ヤードが国道路面よりも約300mm高くなっていた(2%勾配)ため、架設桁までの高さが10m弱ある多軸移動台車がレベルを保ち安全に移動できるように、事前にヤードと歩道部の摺り付けが必要だった。約30分後には架設位置に到達し、仕口調整に入っていった。高さ調整では、400mmのジャッキダウンを行っている。



国道上に進出する多軸移動台車。安全のために、事前にヤードと歩道部の摺り付けをした



架設位置到達後、400mmのジャッキダウンを行った