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実際の勾配も反映した模擬床版に打設 産学官の関係者約30人が見学

国土交通省東北地方整備局福島河川国道 桑折高架橋で高耐久RC床版を打設するための試験施工を開催

 国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所は、東北中央道「相馬福島道路(霊山~福島)」の東北新幹線と東北本線を跨ぐ箇所に建設されている(仮)桑折高架橋(橋長L=1,218m)について、高耐久現場打ちRC床版の施工を目指している。現場は横断勾配が片勾配部で3%、最急縦断勾配が4%で、曲線も入っている厳しい道路線形であり、風も強い。こうした状況下で高耐久RC床版を打設するための試験施工(小野工業所が担当)が3月1日、桑折高架橋桁下ヤードで行われたことから、同現場を取材した。
 今回の試験施工では、産学官の関係者約30人が見学し、実際の施工状況を確認した。

試験概要およびタイムスケジュール(拡大して見て下さい)

 同橋のRC床版厚は220mm、1回当たりの打設幅は約12.8mだが、今回は6.3m×5.4m幅の配筋・型枠済みの模擬床版を使って、コンクリートを打設(コンクリート配合条件などは表1参照)した。打設は4隅の内、最も勾配の低い個所から順に打設していった(図1)。打設後は仕上げバイブを50センチピッチでかけていった。挿入時間は当初8秒で行っていたが、コンクリートの低勾配への流れ込みを防ぎつつ締固めを行うため途中から時間を短くし、最終的には5秒程度で施工した。均しは4.9mの長いブレードを有する機械を用いてタンピングし、最終的にトロウェルで仕上げた。


打設前の模擬床版/誰が何を担当しているかわかるように役割名称の書いたベストを着る

生コンのスランプ確認


下流側から順に打設していった

50cmピッチでバイブレータをかけていった

大型ブレードを用いたタンピング/敷均し

被膜養生剤の散布/トロウェルや金ゴテによる仕上げ

打設完了状況
 結果として、今回の試験では最も勾配の低い隅の床版高が30mm高くなり、最も勾配の高い個所が40mm低くなった。4.9mの長いブレードを有するタンピングでは高さ調整が難しいことも判明した。また、バイブを挿入する時間を減らしても、コンクリートの流れ込みは続いていた。コンクリート品質を確保するためにもバイブにかける時間は8秒程度行い、流れ込んだコンクリートは取り除き、打設高が低くなりがちな勾配の高い個所はコンクリート打設量を増やす(厚めに打つ)ことなど対策が必要といえそうだ。

 コンクリート打設高を測るために設置されているコン天棒の撤去時期も再考する必要があるようだ。今回の試験施工ではタンピングのため、その直前に除去しており、以後の打設高の把握が困難になった。

コン天棒

 タンピングによる高さと平坦性の確保を止めて、コン天棒を残した上でトンボなどにより高さ調整を図りながら表面を均し、それ以上の振動を与えることのない工程に入った際にコン天棒を除去して、トロウェルをかける、といったことが考えられそうだ。

施工後の意見交換会

 試験施工後、施工者及び産官学の見学者による意見交換会を実施した。この中では、各種の意見が出され、今後、対策を検討することとなった。次回の試験施工(8日、佐藤建材工業が施工)では、これらの課題を踏まえて試験施工を実施する予定だ。(2019年3月7日掲載、井手迫瑞樹)