道路構造物ジャーナルNET

東名砂沢川橋上に負担をかけず自走多軸台車で桁運搬

NEXCO中日本 東名高速道路交差部直上の桁を4夜間で架設

公開日:2018.12.18

溶接の仕口精度は-2mm/+6mm
 合理化合成床版を採用 鋼板厚を100mm以下に抑制

 今後は仮添接部を溶接した上で、合理化合成床版や壁高欄のコンクリート打設を行う。
 溶接の仕口精度は-2mm/+6mm。4mm~12mmの間で溶接をかけていく。


溶接状況

 合理化合成床版は、新東名須津川橋での採用を嚆矢とし、広く使われているNEXCO仕様の合成床版。3.4~3.5m毎に配置されている横桁と主桁間隔を4隅として底鋼板を配置する。通常の合成床版自体は主桁間を床版の支間という形にするが、合理化合成床版は主桁間隔ではなく、横桁間隔を床版の支間と見なせることに特徴がある。「コンクリート床版厚は250mmに統一している。底鋼板は8mm。横桁間隔を支間と見なすため、橋の主桁間隔に拠らず全て同じスペックで施工できるため分かりやすく、維持管理も統一的に行える」(NEXCO中日本)合成床版だ。底鋼板と床版コンクリートのずれ止めは頭付きスタッドを使用したロビンソン型であり、底鋼板は主桁および横桁上フランジと直接接合する構造となっている。


合理化合成床版の底鋼板と高欄の鋼製埋設型枠

 100mを優に超える支間延長(上り線は127mに達する)にも関わらず、細幅箱桁の板厚は一般に流通している100mm以下の板厚(98mm)に抑えている。細幅箱桁でこの板厚で飛ばすのは限界に近い長さであるため、合成桁として設計しており、コンクリートの打設順序を工夫するなど綿密に設計施工した。
 支間中央のコンクリートをまず打設し、その後、打設個所が固まったことを確認して次のコンクリートを打設していく。さらに最大支間になるような桁が設計に収まるような形で合成桁のSTEPを考慮しながら、検討を進めて設計した。



最終日 本線上り線の架設

 上部工の施工は横河・JFE・IHI‐JV。下請はみなと(架設工)、宇徳(自走多軸台車)オックスジャッキ(マルチストランドジャッキなど吊り上げ機材)、大瀧ジャッキ(自走多軸台車上の油圧式鉛直ジャッキ)など。


架設完了後の空撮状況
(2018年12月18日掲載)

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