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横浜青葉JCTでは40径間のうち35径間の桁架設完了

首都高速道路 「横浜環状北西線」現場見学イベントを開催

公開日:2018.11.14

北八朔トンネル工事現場と横浜青葉JCT建設現場を見学

 首都高速道路は13日、一般を対象に「首都高講座64限目『横浜環状北西線へ潜入!建設現場を歩いて学ぼう!』」を開催した。首都高講座は、建設現場や点検・補修現場、交通管制室などを同社の社員が案内し、同社の取り組みを見学・体験するイベント。今回は横浜環状北西線の北八朔トンネル工事現場と横浜青葉JCT建設現場を見学するもので、300人を超える応募者のなかから抽選に当選した28人が参加した。
 まず参加者は「ほくせいせんPRルーム」で横浜環状北西線の説明を受けた。横浜環状北西線は、東名高速道路(横浜青葉IC)と第三京浜道路 (港北IC)を結ぶ、延長約7.1kmの自動車専用道路で、東京2020オリンピック・パラリンピックまでの開通を目指している。開通により、東名高速と横浜港の所要時間が現在の保土ヶ谷バイパス経由の約40~60分から約20分に短縮されるほか、災害時の道路ネットワークの強化が期待されている。


ほくせいせんPRルームでの説明(大柴功治撮影、以下同)

概要図

合成床版架設は3.5km完了
 トンネルは車道部と床版下空間の2層構造

 北八朔トンネル工事現場では、縦断方向26m×横断方向30mの立坑下部に階段で下りて、港北行きのトンネル内に入った。北八朔トンネルの延長は4.1kmで、そのうちの約3.9kmを直径約12mのシールドマシンで掘削、8月9日に掘削が完了した。セグメントは1ピース幅2m、厚さ約45cm(重量約10t)で、8枚で1リングとなり、その1リングの配置を約1,960回繰り返した。


立坑を下りて、トンネル内を進む

トンネル内での説明/セグメント

床版架設が完了した内部

 現在、内部構築工事を実施しており、インバート打設と床版を支える1次側壁のコンクリート打設は完了している。床版は合成床版(横河ブリッジ)を採用し、縦断方向2.35m×横断方向2.35mの底鋼板を敷設後に配筋を行い、コンクリートを打設していく。底鋼板の敷設により型枠支保工が不要となり、下筋も省略できるため、施工効率化が図れている。床版架設は3.5km完了しており、立坑ヤードの床版架設も12月から開始する。車両のセグメントへの衝突を防ぐ防護壁(2次側壁)のコンクリート打設もあわせて進めている。


合成床版の底鋼板

 トンネル内は、車道部と緊急時に避難者が避難する床版下空間の2層構造となっていて、緊急時の安全確保を図っている。車道部から床版下空間へは避難用すべり台が設置されている。防災設備としては、ジェットファン、文字情報板、ラジオ再放送設備、泡消火栓(50m間隔)、非常用電話(100m間隔)などが設置されることになっている。


避難用すべり台用の開口部/坑口から横浜青葉JCT方面

桁架設は残り5径間で年内に完了予定
 鋼床版架設を施工中

 横浜青葉JCT建設現場ではヤード内での説明後に、北西線と青葉ICを結ぶ専用ランプの桁上にSP5橋脚の足場から上がり、横浜青葉JCT最高点約30mの高さから現場全体を見学した。最高点から青葉ICに向かう区間は下り勾配が同JCT最大の6.8%となっており、舗装上の減速マークや注意喚起看板で安全対策を行うとしている。


専用ランプ上から港北方面。下が東名高速道路

横浜青葉JCT概要/専用ランプから横浜青葉IC方面。急勾配になっているのがわかる

専用ランプから港北方面。鋼床版架設が進む

 平成27年に工事着手された同現場は、下部工33基は完成、上部工は40径間のうち35径間の桁架設が完了している。残りの5径間は専用ランプの1径間、E連結路の4径間となり、年内には架設が完了する予定。鋼床版(厚さ12mm)の架設も順次行われている。



ヤードから見たランプ橋

専用ランプで桁未架設となっている1径間

桁上と桁下で説明が行われた

 本工事の難しさとして、東名高速道路を跨ぐランプを含め5つのランプを整備するため、供用中の東名高速道路に交通影響を出さずに施工すること、工事ヤードが限られていることが説明された。また、東名高速道路上の大ブロック一括架設や鶴見川渡河部の送り出し架設についても説明が行われた。


大ブロック一括架設が行われた東名高速道路上の桁
(2018年11月14日掲載 大柴功治)

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