道路構造物ジャーナルNET

架設桁の桁長は101.6m、鋼重は678.5t

NEXCO東日本 東北中央自動車道で多軸式特殊台車を用いて一括架設

公開日:2018.08.01

 東日本高速道路(NEXCO東日本)は、同社が建設を進めている東北中央自動車道(南陽高畠IC~山形上山IC間、延長24.4km)の高畠深沼橋で、7月17日夜から18日未明にかけて国道13号を交差する桁の架設工事を行った。同工事は多軸式特殊台車を用いて施工されたもので、東北中央自動車道では同様の工事は初めてとなった。夜間架設には、保安員を含めて約150人が携わった。

軟弱地盤のため、杭長は最大で80.5m
 上部工は工程短縮を図り、合成床版を採用

 同橋は南陽高畠ICの北側に位置する橋長302.6m、有効幅員10.75mの鋼4径間連続合成細幅箱桁橋で、国道13号、113号、町道蒲原舟入1号線と交差している。


位置図(NEXCO東日本提供、注釈なき場合は同)※本写真、編集部で一部加工

 架設地周辺は有機質土と粘性土、砂質土が層を織り成し厚く堆積する白竜湖軟弱地盤と呼ばれる地域で、「土工部の試験施工ではバックフォーが土に埋まってしまうほど」(NEXCO東日本)だった。
 同橋周辺部は地盤改良の必要はなかったが、基礎は鋼管杭を採用し、杭長は橋台で72.5~80.5m(40~44本、φ800)、橋脚で68.5~76.5m(25~39本、φ1,000)に達した。下部工は上下線一体型の壁式橋脚を採用している。軟弱地盤を考慮して上部工の軽量化を図るため、検査路をすべてアルミ製にするなどの工夫を行っているほか、合成床版を採用して工程短縮を図っている。
 同橋の架設は上り線A1~P3間、下り線A1~P2間が完了しており、17日夜からは下り線P2~P3間(J16~J29)の架設を行った。架設桁は桁長101.6m、鋼重678.5tで、昨年10月から国道13号脇のヤードで地組したが、冬期を跨いだために地組桁の除雪作業を行うなど苦労の多い作業となった。


架設計画図

 架設にあたっては、同橋と国道13号の斜角が約32度で支間長が長いことに加え、13号上にベントを設置できないこと、13号の交通量が約20,000台/日であることから、P2~P3間一括架設を採用し、クレーン架設ではなく多軸式特殊台車を用いての施工となった。多軸式特殊台車は5軸の「スーパーキャリア」を前後2台、横3列の合計6台を連結した。


多軸式特殊台車主桁搭載時要領図

5軸の多軸式特殊台車を6台連結した(大柴功治撮影)

 1台あたりの最大積載能力は224.8tで6台では1,348.8tとなり、積載重量比を約50%に抑制して安全性を確保している。台車上には1台あたり250tの昇降能力を有する「スーパーテーブルリフトⅡ」を4セット搭載して、迅速な昇降作業を可能にした。

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム