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床版取替工事ではNEXCO中日本として初めて床版架設機で施工

NEXCO中日本 小田原厚木道路 川端高架橋で床版取替

 中日本高速道路(NEXCO中日本)は、小田原厚木道路の小田原本線料金所~荻窪IC間に架かる川端高架橋(上り線)で床版架設機を採用した床版取替工事を実施した。同橋は1969年の開通から49年が経過し、既設RC床版にひび割れや鉄筋露出などの損傷が発生していることから、大規模更新事業として床版取替えを行う。民家が本線に近接していることに加え、路肩も狭い現場条件のなかで、施工された現場をレポートする。


橋長879.6m のうち118.3m(1,035㎡)の床版を取替え

 床版下面にひび割れや遊離石灰をともなう漏水が発生

橋梁概要と損傷状況

 川端高架橋(上り線)は橋長879.6m、有効幅員7.6mの鋼単純合成鈑桁橋+PCポステンT桁橋+RC中空床版橋だが、今回の施工は鋼単純合成鈑桁橋(345.5m)のうちP9~P13間の118.3m(1,035㎡)が対象となる。交通量は約30,000台/日(大型車混入率13%)となっている。



位置図と川端高架橋(NEXCO中日本提供、以下注釈なしは同)


橋梁一般図(P9~P13)


 既設RC床版は、1998年度に50mmの上面増厚(増厚前の床版厚170㎜を10mm切削し50㎜超速硬SFコンクリートを施工)を行い床版厚210mmとし、2013年度には既設床版と増厚床版の剥離部分の接着を目的として、エポキシ系樹脂注入の補修を実施した。しかし、老朽化や車両の大型化などにより、床版下面にひび割れや遊離石灰をともなう漏水、張出床版部の鉄筋露出、舗装路面にポットホールなどの損傷が発生していることから、抜本的な対策としてプレキャストPC床版(床版厚220mm)への取替えを行うことにしたものだ。



床版下面の損傷状況


路面の損傷状況


張出、桁間、桁上の順で既設床版を撤去

 張出床版撤去では専用の機械を使用

既設床版の撤去

 本工事では、まず5月8日から14日までの7日間で対面通行規制設置作業を行った。昼夜連続対面通行規制区間は約4kmとなっており、ドライバーへの情報提供や注意喚起のために、仮設LED情報板や工事区間手前のトンネル内にスピーカーを設置している。



交通規制概要図


 既設床版の撤去にあたり、施工部は合成桁であるために、床版撤去時に一時的に主桁が不安定な状態となり、重機が床版上に載ると主桁が座屈する恐れがある。主桁の応力超過を回避するため、下フランジに設置した外ケーブルでの主桁補強を事前に実施した。



外ケーブルの緊張


 撤去は、中央分離帯側の張出床版から開始した。ワイヤーソーとコンクリートカッターで橋軸方向6.0m×橋軸直角方向0.9m(重量6.5t)のブロックに分割。撤去時に一般車両が通行している対面通行区間にブロックがはみ出さないようにするために、鋼材をフレーム状に組んだ上に設置したI形鋼の梁を使って吊上げ移動する専用の撤去機を使用している。



専用の撤去機を用いての張出床版撤去


 次に、桁間の床版を橋軸方向6.0m×橋軸直角方向2.3m(重量6.2t)のブロックに分割して、P10~P11径間の中間から80t吊クレーン2台を使用して両開きで撤去していった。桁上床版の撤去は、ダイヤモンドワイヤーソーで厚さ10cm程度まで切断後、ブレーカーとチッパーでのはつりを行った。「上フランジに馬蹄形のジベルが存在していたため、その処理が大変だった」(元請のIHIインフラ建設・IHIインフラシステムJV)という。ブレーカー作業時の対面通行区間への飛散防止対策として囲いを設置して、その中で作業を行っている。また、すべてブレーカーでのはつりとせずにワイヤーソーを使用したのは、現場に民家が近接しており極力騒音を出さないようにするためだった。その後、桁上の防錆処理を行った。撤去は5月19日から6月5日までの約20日間で完了している。



桁間床版の撤去


(左)桁上床版のはつり (右)既設床版撤去完了後