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掘割構造部の安全対策などを説明

NEXCO東日本・国交省 外環道三郷南IC~高谷JCT間の現場を公開

 東日本高速道路(NEXCO東日本)関東支社と国土交通省関東地方整備局は15日、6月2日午後4時に開通する東京外かく環状道路(外環道)三郷南IC~高谷JCT間の現場公開を開催した。現場公開では、京葉JCTや高谷JCTの構造物について説明が行われたほか、掘割構造部での安全・防災対策などが紹介された。


開通延長15.5kmのうち掘割構造部は9.6km

 京葉JCTランプの一部はシールド工法で施工

 三郷南IC~高谷JCT間は1969年の都市計画決定から開通までに50年を要し、今回の開通により外環道全体延長約85kmのうち約6割が完成する。また、外環道が東関東道、常磐道、東北道、関越道の4つの放射道路と接続されることになる。高谷JCTから大泉JCTはこれまでの都心ルートでは約60分だったのが約18分短縮されて約42分となるなど、都心の交通円滑化と物流の生産性向上が期待されている。



三郷南IC~高谷JCT間の概要と短縮される所要時間


 三郷南IC~高谷JCT間の延長は15.5km。一部トンネル部を含む掘割構造部が9.6km、高架構造部が5.9kmとなる。連続高架橋を除く橋梁は、江戸川を渡河する外環葛飾大橋(橋長506m、鋼7径間連続細幅箱桁橋)のみとなっている。



外環葛飾大橋から高架構造部へ


 京葉道路とトンネル部で接続する京葉JCTでは、ランプ建設にあたり京葉道路の下を掘削する必要があり、構造上の問題からシールド工法で施工した。直径13mのシールドマシンで、Aランプ(京葉道千葉方面→外環道三郷方面)は507m、Hランプ(外環道三郷方面→京葉道千葉方面)は347mを掘削した。



京葉JCT


 京葉道と交差する国道298号の高架橋・稲荷木橋の施工もNEXCO東日本が行っており、今回の事業のなかでも最も困難な工事のひとつとなった。「稲荷木橋の建設にあたっては、交通量約2万台/日の県道市川浦安線を切り回す必要があり、その回数は約10回に及んだ」(NEXCO東日本)という。

 東関道および首都高湾岸線と接続する高谷JCTでは、国内最大級の1,250t吊りクローラクレーンを用いて架設された。Aランプ橋(外環道三郷方面→首都高湾岸線東京方面)が高谷JCTのなかで最も高い構造物で、最高点は地上高約45m、R=100、横断勾配7%となっている。「高谷JCTの橋脚はNEXCO東日本のものが123本、国道357号と298号の国交省のものが56本建てられている」(同)とのこと。



高谷JCT 右写真はAランプ


Aランプ上からの眺め
(左写真)中央が東関道で左右が国道357号。いずれも交通量約10万台/日の重交通路線だ


掘割区間では先行車の視認性が向上するプロビーム照明を採用

 渋滞抑制対策としてペースメーカーライトを導入

 高架構造部では環境問題に配慮して約8mの遮音壁を設置しているが、一部区間では吸音板だけでなく、景観にも配慮した透明な透光板も採用している。掘割構造のスリット部では、太陽光によるドライバーの目のチラつきを抑えるために、掘割の柱と柱の空間上部に膜製およびガラス製の遮光板を取り付けて眩光防止対策が取られている。遮光板は斜角をつけて取り付け、隙間を空けることで、掘割内の喚起や火災発生時の煙の排出を妨げないようにしている。



遮音壁。鋼製の吸音版のみの箇所、吸音版と透光板を組み合わせた箇所、透光板のみの箇所がある


(左写真)スリット部。柱幅は2.5mで、スリットも2.5m間隔となっている

(右写真)遮光板で眩光防止対策が取られている


 開通区間の約3分の2を占める掘割構造部の安全対策では、掘割区間の照明に車の進行方向に向けて照射をするプロビーム照明を採用した。これにより、先行車の視認性が向上するとともに、渋滞時における先行車の早期発見と認知を支援している。



車の進行方向に向けて照射をするプロビーム照明


 防災対策では、事故発生時などの掘割区間入口の車両進入対策として、情報板と表示灯に加え、警告灯付き照明を設置している。「掘割区間入口部を赤色灯で点滅させることで内部が危険な状態であることを喚起できる」(同)という。また、地下数十メートルとなる区間もあるため、函体脇に階段を設置して、有事の際には地上部への避難ができるようにした。避難階段は、掘割部は約1km間隔、トンネル部は約400m間隔で設置されている。
 15日には、掘割構造部での事故を想定した消防訓練も行われ、松戸市と市川市の消防局から約50名、千葉県警とNEXCO東日本から約50名が参加した。



事故や火災などの発生時に赤色灯を点滅させて、ドライバーに喚起を促す


避難階段と地上部出口


消防訓練の様子


 渋滞抑制対策では、勾配変化付近(3%以上の上り勾配)にペースメーカーライトを導入した。ペースメーカーライトは、高さ1.2mの位置に10m間隔で設置され、設定した速度にあわせて光点が移動していき、走行速度の低下を防ぐとともに、速度回復支援効果が期待できる。



ペースメーカーライト。速度回復支援時には、青色のライトが点滅し一定の速度で流れていく


(2018年5月18日掲載 大柴功治)