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首都高速道路 板橋JCT~熊野町JCT間改良工事

ダブルデッキを上下層とも拡幅、サンドイッチ工法を採用

公開日:2015.01.16

 フーチングをほぼ縦断方向に拡大
 鋼製格子部材を開発

 難易度が高い基礎施工
 構造面で最も考慮しなければいけないのは基礎。サンドイッチ工法により新設橋脚を建てこむためにはそれを支持するアンカーフレームおよびフーチングを新たに設ける必要がある。しかし山手通りに影響を与えることは不可のため、新設橋脚の基礎は「本来は横断方向に広げたいが」(首都高速道路)、フーチングをほぼ縦断方向にのみ拡大(両側約3㍍ずつ)させている。


                       サンドイッチ工法

 既設フーチングの土被りが一部を除いて2.5㍍程度しかなく、4㍍程度の土被りを必要とするアンカーフレーム構造で施工することが難しいため、その代わりに既設フーチング上に極力構造高さを低くでき、アンカーフレーム機能を代替する構造を開発する必要があった。そのため既設フーチングに新設鋼製橋脚基部と剛結した鋼製格子部材(高さ1㍍強)を開発し、新設フーチングと一体化させた合成構造フーチング工法を採用している。合成構造フーチングは橋脚からの荷重を効率的に鋼製格子部材によってフーチングおよび杭に伝達させるもの。そのため鋼製格子部材は橋脚を取り囲む形で面積を広く取り、荷重分配性に配慮した構造にした。橋脚からの水平力は鋼製格子部材にずれ止めを設けずにウェブ面とその周辺を取り囲むコンクリートの支圧によりフーチングに伝達している。


            基礎の施工                             鋼製格子部材

         鋼製格子部材の拡大図                  RCレーダーで精密に探査

 また、同構造はアンカーボルトを省略しているため、浮き上がり防止策として格子部材にひっかける形で逆U字型の拘束筋を配置。拘束筋は既設フーチングに1㍍程度差し込むことで一体化させた。差筋の事前作業として既設フーチング内をRCレーダーで精密に探査した上で、コアで抜き、極力既設鉄筋を傷つけないように配慮している。
 新設フーチングは工場製作の鋼製格子部材を用いたSRC構造で、既設フーチングとの境界面は目荒らしにより付着強度の向上を図るとともに、既設の鉄筋をはつりだして新設側の鉄筋と溶接で繋いで一体化している。


                  既設鉄筋をはつり出し

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