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東日本高速道路 維持管理リレー連載③

東北地方の高速道路における橋梁の劣化と維持管理

東日本高速道路㈱東北支社
技術部 上席構造物指導役

山田 金喜

公開日:2015.01.16

 1.東北支社管内の概要

 昨年12月6日に常磐道の浪江IC~南相馬IC間と相馬IC~山元IC間が無事に開通した。これによって、1973年(昭和48年)11月に東北道の白河IC~郡山IC間と白石IC~仙台南間が開通して以来、NEXCO東日本東北支社が管理する高速道路(一般有料道路を含む)延長は、約1,360㌔(約2,000橋)になった。(図‐1)
 橋梁の比率は約10%であり、最も経過年数の多いものは40年を超えており、30年を超えるものも約20%を占めている。(図‐2)
 また、橋種別については鋼橋、PC橋、RC橋がほぼ1/3づつ占めている。


              図-1 管内の路線概要

             図-2 橋梁の経過年数

 東北支社管内の交通状況(H25年データ)は、全体日平均交通量が約45万台/日で、IC間の平均断面交通量(高速)は、約16,900台/日、最大区間交通量は本宮IC~二本松IC間で約51,500台/日である。また、大型車混入率は、高速全体平均で約25%であり、東北道で30%前後となっている。
 気象状況については、積雪寒冷地を多く抱えており、南北に長い東北道では、冬日日数が100日~150日程度で、累計降雪量は青森で9㍍近くに達する。累計降雪量の最大地点は、秋田自動車道で18㍍を超えている。


              図-3 月別平均最低気温(青森)

 積雪が多く最低気温も低い地域の例として、図‐3に青森での月別平均最低気温を示す。1月~2月にかけて冷え込みが厳しい状況である。
 東北支社管内はこのような積雪寒冷地のため、凍結防止剤の散布が非常に多い区間を抱えている。特に、青森県、秋田県、岩手県、山形県では、散布量が年間に100㌧/kmを超えている。開通後の累計散布量も、東北道(郡山市以南を除く)の大部分、八戸道、秋田道、山形道、磐越道においては、1,000㌧/kmを超えている。

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