GPSを活用して凍結防止剤の散布作業を自動化
NEXCO東日本 雪氷対策の高度化を進める
東日本高速道路(小畠徹社長、(右肩写真))は1日、本社で定例記者会見を開催し、雪氷対策の高度化に向けた取り組みや後志自動車道(余市IC~小樽JCT間)の開通について説明を行った。小畠社長は「当社が管理する高速道路約3,900kmのうち、約6割の区間が年間の積雪深1m以上の豪雪地帯で、冬季の安全で安心な交通確保が重要な課題となっている」と述べたうえで、「位置情報(GPS)を活用した凍結防止剤の散布作業自動化」と「人工知能(AI)による雪氷対策の判断支援システム」の取り組みを紹介した。
凍結防止剤の散布作業は操作に習熟したオペレーターが運転をしながら複数の操作を行う必要があるが、労働人口の減少により操作習熟に10年の経験が必要と言われているオペレーターの確保が困難になることが懸念されている。そのため、GPSの位置情報と凍結防止剤の散布装置を連動させ、作業開始前に走行区間をセットするだけで散布作業(開始と停止、散布量、散布幅)を自動制御するシステムを導入する。手動で操作する場合でも、運転席に設置している複数の操作装置をひとつの画面に集約し、ワンタッチ操作を可能にした。昨年度、新潟支社管内で8台の散布車を用いて本システムの試行をし、今年度から同支社管内で順次導入(27台を追加予定)していく。また、除雪車についても除雪装置自動制御の開発を進めており、2020年度には除雪車と散布車のすべての作業操作自動化を目指している。
凍結防止剤の散布作業自動化
雪氷対策作業の判断支援では、AIを活用したシステム構築をグループ会社のネクスコ・メンテナンス北海道とウェザーニューズが共同で進めている。作業に必要な人数や機械の台数・配置、作業開始のタイミングなどについて、過去の作業指示者の経験・ノウハウによる判断をAIに学習させ、気象や交通などのさまざまな情報とあわせることで、最適な作業を作業指示者に提案するシステムとなる。2020年度の運用開始を目指して、今年度と来年度はシステムのプロトタイプを構築して、作業指示者の判断結果をシステムへ学習させ、その結果を検証していく。
人工知能(AI)による雪氷対策作業の判断支援
(2018年11月2日掲載)