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定数を超える180人が参加

第八回道路橋床版シンポジウムを開催

 土木学会鋼構造委員会道路橋床版の複合劣化に関する調査研究小委員会(大田孝二委員長)は、10月29,30日の2日間、東京・土木学会で第八回道路橋床版シンポジウムを開催した。シンポジウムは①数値解析、②複合劣化・凍害・ASR層、③補修・補強-1、④補修・補強-2、⑤舗装・防水層、⑥合成床版・鋼床版、⑦計測・モニタリング、⑧工法・製品、⑨損傷・余寿命評価の9セッションに分かれて開催され、全部で61の講演が行われた。前回までのシンポジウムに比べて、疲労だけでなく塩害やアルカリ骨材反応、凍害などとの複合劣化および損傷事例や施工時の失敗事例なども多く報告された。例えば増厚床版の再損傷事例や、鋼板接着床版の抜け落ち事例なども紹介されている。

 会場には定数の150人を超える180人が参加、床版の維持管理および更新分野への関心の高さが示された。また、29日には第一分科会(床版の劣化診断、補修・補強関係)、第二分科会(床版防水の性能評価、維持管理)の活動報告、基調講演として藤野陽三横浜国立大学先端科学高等研究院上席特別教授)による「世界をリードする床版研究への期待―アメリカの動向とSIPでの計画―」も行われた(講演内容は後日報告予定)。

 大田委員長はシンポジウムの意義について「これから構造物の維持管理および更新は大になる社会的背景ができている。また藤野陽三先生が率いるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の中で床版という分野が重要視されている。その中で技術開発はこれからも促進されていくと思う。そういうタイミングでこのシンポジウムが開催されたことは大きな意義があります。また、最近は今までの知見では考えられなかった床版の抜け落ちが生じるケースも出ている。国土交通省の橋梁定期点検要領では下面からひび割れを見なさいということになっていますが、実際はそうしたひび割れが発見される前に抜け落ちが生じていることがある。そうした事態に対応するため点検要領の改訂も必要ですよね。そうした判断の一助になれば良いと考えています」と話している。


 藤野教授の講演には多くの聴衆が集まった(左)、各発表とも活発な議論が展開された(右)