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ブリッジエンジニアメダルは本間淳史、大庭妙子両氏

鋼橋技術研究会が定期総会を開催

公開日:2016.06.22

 鋼橋技術研究会(藤野陽三会長)は8日、東京大学大本郷キャンパス内で定期総会を開催した。
 冒頭のあいさつで藤野会長は「このところ国の政策などに関与していますが、熊本地震が発生したこともあり、インフラ整備の重要性がさらに認識されつつあるように感じている。鋼橋技術研究会は、官、民、学が参加した会であるが、民においてはファブリケーター、コンサルタントが参加しており色々な面で議論することができ、多方面の知識があるというのがメリットであり、今後もこれを最大限に活かしていきたい」と述べ、会員のさらなる奮起を求めた。
 毎年、鋼橋の発展に寄与した技術者に授与される「ブリッジエンジニアメダル」は、東日本高速道路の本間淳史氏と東京鉄骨橋梁の大庭妙子氏が受賞した。
 本間氏は、早稲田大学大学院を卒業後、昭和63年に当時の日本道路公団へ入社した。高松建設局松山工事事務所を皮切りに入社後は一貫して橋梁を中心とした業務に従事してきた。また、橋梁に関する研究活動も多く、長支間PC床版に関する研究をはじめ、鋼連続合成桁や複合トラス橋などの合成構造に関する研究成果は新東名高速道路の橋梁建設において実構造物として反映されている。同高速道路の橋梁建設の実務においても、藁科川橋、大井川橋、安倍川橋、内牧高架橋などに携わっている。NEXCO各社への分割民営化後は、NEXCO総研(高速道路総合技術研究所)橋梁研究室長などを歴任、現在は、東日本高速道路本社の構造技術課長の職にあり、長年の鋼橋の発展・普及に対する大きな貢献が認められた。
 大庭氏は、平成4年に同社に入社。現在までに大小含めて約90件の工事を担当してきた。主要実績は、JR東日本の新青森高架橋や東京上野ラインなど。新青森高架橋では、工期短縮のため仮組みを省略することになり、部材精度の向上に努めた。東京上野ラインは、既設新幹線高架橋の直上に門型橋脚を構築する難工事。既設橋に設置されている仕口の出来形を新設構造物に反映させる必要があったため、何度も夜間計測し、計測結果を施工に反映させ、無事に工事を完成させた。こうした技術者としての姿勢や、女性技術者向けの執筆活動なども含めて評価された。

ブリッジエンジニアメダル授賞式 左から伊藤學名誉会長、本間氏、大庭氏、藤野会長
(鋼橋技術研究会提供)

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