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P11 基礎梁は最大40㍉傾斜、ベント支柱は185㍉傾き

西日本高速道路 新名神有馬川橋橋橋桁落下事故の第2回委員会を開催

公開日:2016.05.23

 西日本高速道路は22日、有馬川橋橋桁落下事故に関する技術検討委員会の第2回会合を同社本社(大阪市)で開催した。第2回会合では施工過程での問題がなかったかという点を中心に審議した。同委員会の山口栄輝委員長は、P11側の吊桁設備を支えるベントについて、その基礎梁の傾斜が、三田側(北柱)で事故直前の当日10時に計測したところA2側へ最大40㍉の傾斜(沈下)を示しており、ベント支柱そのものも同様にA2側へ185㍉傾いていたことを明らかにした。前日9時50分に計測した同部分の基礎梁の傾斜の値は22㍉であり、1日で18㍉傾きが進んでいたということになる。
 
ベント支柱の沈下と傾斜(上り線:P11橋脚) (NEXCO西日本ブリーフィング資料より抜粋)
 また、架設機械の稼働状況・ジャッキ操作、作業状況・桁降下の準備、桁降下に関する施工計画の妥当性、落下直前の作業内容、当日の作業に関する施工計画と実作業の対比をA2とP11両方で確認した。これら施工者に確認を取った項目をもとに、今回の事故発生にいたる引き金となった事項、落下メカニズムについて審議を行ったが、現段階では落下原因の特定には至らず、さらに追加検討が必要であると、委員4人の意見が一致した。
 今後は①ベント支柱の鉄筋コンクリート基礎部の地盤状況を確認するためのボーリング調査、②A2仮受けジャッキおよびP11仮支承の摩擦係数の摩擦係数の確認、③A2およびP11において桁を支えていた部材の耐荷力解析、④ビデオ画像解析による落下挙動の解析の4点を中心に、調査、実験、解析の結果を基に次回以降原因を究明していく方針だ。(井手迫瑞樹)

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