香川県発注の鋼箱桁 点検業務し易く
中井商工 鋼桁の明かりとりキャップ「ライタップ」が初採用
中井商工が開発したライタップ(明かりとり用キャップ)が、香川県が発注し川田工業が製作した新設橋(円座橋、椛川ダム付替橋、いずれも鋼箱桁)で採用された。外部の光を内部に採光することで点検業務をし易くすることが目的。従来のように点検の際に大型の投光器などを持ち込まずに済むため、作業をより平易かつ精密に行うことが期待できる。
同製品は箱桁の下フランジ部に予め孔(φ100)を作り、そこにフィットするように箱桁内部からキャップを差し込むことで設置するもの。キャップの外側中央部には小さなスリットを入れることで挿入しやすくしており、設置の際の作業性を向上させている。孔の周りはタブリングで予め補強し、(孔明けした分の)強度を維持する。
桁下の設置状況
桁内の状況
鋼材とキャップの間には三角突起状の防水ラインという機構を設けており、ゴムの弾性と突起でその部分の密着性を特に高めることで、暴風雨でも外れることなく、外部からの水の浸入も阻止できる。
ライタップは2種類あり、今回使われたのは半透明のシリコーンゴムを丸型に加工したタイプでコストは1個当たり4,800円ほど。これを2橋合計で50個ずつ採用した。配置間隔は箱桁1ブロック(8㍍程度)当たり4カ所ほどに設置した。照度はタイラップの真上で約1300ルクスほどを確保でき、「5~7年は一定程度の照度を期待できる」(中井商工)。それ以上の長期間照度を落とさないことを期待するユーザーには、より性能の高いクロロプレンゴム+アクリル透明板製のライタップを提案する方針。同タイプは1個当たり12,000~14,000円と割高だが、10年以上の長期耐久性を期待できるほか、照度も推定5000ルクス程度向上する。
初年度は500~1,000個、3年後を目途に5,000個ほどの売上を目指す。