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インタビュー詳細

橋梁3456橋とトンネル94箇所を管理

北陸地方整備局 難工事が多いトンネル掘進、橋梁では塩害対策事業が進む

国土交通省
北陸地方整備局
道路部長
岩見 吉輝 氏

 国土交通省北陸地方整備局は、国道8号など14路線、延長1,076.2kmを所管している。日本海沿岸東北自動車道(国道7号朝日温海道路)や国道159号金沢東部環状道路などの道路整備事業が進捗しているが、トンネル掘進では地山の性質上、難しい工事箇所が多くなっている。また、管内の日本海沿岸の路線では飛来塩分により、山間部では凍結防止剤散布の影響により、塩害による損傷が目立ち、その対策が必須だ。それら管内の事業と維持管理の取り組みを、岩見吉輝道路部長に聞いた。


日沿道、能越道の一部となる道路事業が進捗

 今年度は国道116号新潟西道路などの事業に着手

 ――北陸地方整備局が管理する道路と管内の地勢的特徴について

 岩見部長 新潟県、富山県、石川県の直轄管理区間14路線、延長1,076.2kmを管理しています。管内は全般的に急峻な地形で、平野もありますが、山の谷筋に町が発達していますので、そこを結ぶ道路の整備を進めてきました。今後とも災害に強い道路が求められているところです。

 管内全域が雪寒地域に指定されており、冬期は除雪作業をしっかり行って、道路交通を確保しなければいけません。

 ――主な道路整備事業は

 岩見 高規格幹線道路では、日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の一部を構成する「国道7号朝日温海道路」と、国道470号の能越自動車道の一部となる「国道470号輪島道路・輪島道路(Ⅱ期)(輪島IC(仮称)~のと里山空港IC)」「国道470号田鶴浜七尾道路(病院西IC(仮称)~七尾IC)」の事業を進めています。

 県境部の広域交流を進めるための道路事業では、新潟県三条市と福島県南会津郡只見町を結ぶ「国道289号八十里越」、富山県から岐阜県に抜ける県境部にある「国道41号猪谷楡原道路(猪谷~片掛)」などがあります。

 都市圏内の渋滞緩和および交通安全対策としては、新潟県での「国道7号栗ノ木道路・紫竹山道路」、富山県での「国道8号豊田新屋立体」、石川県での「国道159号金沢東部環状道路」などの整備を進めています。

 郊外部では都市間の地域連携を進めていく道路事業として、「国道8号柏崎バイパス」、「国道17号浦佐バイパス」などの事業があり、防災という観点では、「国道17号三俣防災」などの事業があります。

 2019年度の新規事業箇所は「国道113号小国道路」、「国道116号新潟西道路」、「国道8号六家立体」、「国道8号松任拡幅」、「国道8号牛ノ谷道路」、権限代行の「国道253号十日町道路」の6箇所となりました。



主要道路事業位置図(新潟県)(国土交通省北陸地方整備局提供/以下同)


主要道路事業位置図(富山県・石川県)


朝日温海道路 トンネルが延長の約3割を占める

 輪島道路 三井IC~のと里山空港IC間は2022年度夏までに開通予定

 ――国道7号朝日温海道路は

 岩見 日本海沿岸東北自動車道の朝日まほろばIC~あつみ温泉ICまでの延長40.8kmの自動車専用道路です。当整備局はこのうちの新潟県内34.1kmの整備を進めていて、事業進捗率は事業費ベースで約12%(2018年度末)となっています。



事業概要図


 ――構造物について教えてください

 岩見 県境部の急峻な区間となっていますので、トンネルが13本と多く、路線延長の約3割を占めています。工事に着手しているのは1号トンネル(延長1,007m)のみで、2017年9月に掘削を開始して、2019年2月時点で延長の約5割まで掘削が進んでいます。2019年度に、4号トンネル工事(延長1,185m)を新潟国道事務所で、11号トンネル(Ⅰ期)工事(延長1,120m/全延長2,201m)を羽越河川国道事務所で発注予定です。橋梁については、特殊な形式となる予定はありません。

 ――1号トンネル工事の特徴は

 岩見 膨張性の高い地山(天井山層安山岩質火砕岩)がトンネル延長の約4割を占めているとともに、脆弱で多量の湧水の発生の恐れのある断層破砕帯を多数通過しています。そのため、前方探査により湧水や地山の状態を確認しながら慎重に掘削を進めています。とくに、膨張性の高い地山区間では、注入式長尺先受工法やモルタルの鏡吹きつけ、高強度支保工などを採用して地山の安定性を図るとともに、日々掘削面などの挙動監視を行っています。



1号トンネルの施工状況


 ――国道470号輪島道路及び輪島道路(Ⅱ期)の輪島IC(仮称)~のと里山空港IC間は

 岩見 国道470号能越自動車道は、石川県輪島市を起点とし、七尾市、高岡市などを経由して、富山県砺波市に至る延長約117kmの高規格幹線道路です。富山県側と石川県側の一部約102kmが開通済み(現道活用区間含む)となっていて、残る整備区間が、輪島道路の三井IC~のと里山空港IC間(延長4.7km)と輪島道路(Ⅱ期)の輪島IC~三井IC間(6.8km)および田鶴浜七尾道路(延長3.4km)となります。

 三井IC~のと里山空港IC間の事業進捗率は約83%(2018年度末)で、2022年度夏までに開通予定です。輪島IC~三井IC間の事業進捗率は約21%(2018年度末)です。

 ――それぞれの構造物は

 岩見 三井IC~のと里山空港IC間には橋梁が8橋あり、トンネルはありません。3橋(三井IC本線橋、Bランプ橋、Cランプ橋)が完成済みで、施工中は、小泉高架橋とのと里山空港ICランプ橋(下り・上り)の3橋です。県道漆山下出線と交差する小泉高架橋は延長220mのPC4径間連続ラーメン箱桁橋で、張出工法で桁架設を進めています(2019年4月閉合)。完成後は工事のパイロット道路として活用することで事業をさらに促進させます。



小泉高架橋


 2019年度には、州衛高架橋の上下線2橋(上り/橋長198m、下り/橋長199m)の発注を予定しています。橋梁形式はいずれも5径間連続ポストテンション方式PC箱桁橋ですが、のと里山空港ICの輪島側のランプが取り付くため、バチ形で広い幅員を有し、桁内部が1室から2室もしくは3室に変化する形状となっています。

 輪島IC~三井IC間はトンネル2本があり、鷹ノ巣山第2トンネル(延長951m)を3月に工事発注しました。残りの1本(延長約1,400m)の発注は未定となっています。トンネル以外は盛土構造がほとんどを占めます。