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インタビュー詳細

離島中心に塩害やASRに対応

鹿児島県 50年以上経過している橋梁が全体の約3割占める

鹿児島県
土木部
道路維持課長
橘木 竜一 氏

 鹿児島県は、2,437の橋梁、97のトンネルを管理している。離島が多いためか橋長が長い橋梁も多く、100m以上の橋梁は156橋に及ぶ。トンネルも山がちな地形を反映して約100箇所に達する。離島が多いことから塩害やASR対策も必要だ。こうした鹿児島県の道路構造物の保全状況(平成30年度時点)について同県土木部道路維持課の橘木竜一課長に聞いた。(井手迫瑞樹)


橋梁 2437橋を管理 PC橋がほぼ半数を占める

 橋長15m未満が半数を超える 100m以上は156橋

 ――県で管理する構造物について、まず橋梁の内訳から教えてください

 橘木課長 県では2,437橋を管理しています。橋種別では、PC橋が1,182橋(49%)と最も多く、RC橋891橋(37%)、鋼橋305橋(13%)、混合橋30橋(1%)、その他29橋(1%)となっています。供用年次別では、50年以上経過している橋梁が679橋(28%)、40年以上50年未満が394橋(16%)、30年以上40年未満が492橋(20%)、30年未満が872橋(36%)です。橋長別では、橋長15m未満が1,245橋(51%)、15m以上100m未満が1,036橋(43%)、100m以上が156橋(6%)となります。路線別では、一般国道523橋(21%)、主要地方道920橋(38%)、一般県道972橋(40%)、その他(自転車道)22橋(1%)です。

 ――PC橋の割合が非常に高くなっていますが、県独自の施策があるのですか

 橘木 特にありません。経済性から採用事例が多くなったものと考えています。

 ――橋長では鋼橋のほうが長いということは

 橘木 それも経済性で、必然的に鋼橋となっているものもあると思いますが、延長別の橋種別はわかりません。

 ――県で一番長い橋梁は

 橘木 県北部の本土と長島を結ぶ黒之瀬戸大橋(下路式鋼3径間連続トラス橋)で橋長502mです。


黒之瀬戸大橋(鹿児島県提供、以下注釈無きは同)


甑島列島に架かる長大橋(上:甑大明神橋、下:鹿の子大橋、いずれも井手迫瑞樹撮影)

トンネルは97箇所を管理 NATMが3分の2弱占める

 在来矢板工法は3分の1 最長は北薩トンネルの約5km

 ――トンネルの内訳は

 橘木 97箇所を管理しており、工種別ではNATM工法が62箇所(64%)、在来工法が32箇所(33%)、ボックス工法3箇所(3%)です。供用年次別では、50年以上経過しているトンネルが12箇所(12%)、40年以上50年未満が9箇所(9%)、30年以上40年未満が16箇所(17%)、30年未満が60箇所(62%)となっています。延長別では、100m以上1,000m未満が70箇所と全体の約7割を占めており、1,000m以上のトンネルは国道504号北薩トンネル(4,850m)をはじめ18箇所あります。路線別では、一般国道32箇所(33%)、主要地方道46箇所(47%)、一般県道19箇所(20%)となっています。




点検状況 橋梁は現時点(平成30年3月時点)で健全度Ⅲが152橋

 トンネルは同様に健全度Ⅲが18箇所

 ――点検を進めてみての橋梁、トンネルの劣化状況を教えてください

 橘木 2014年度から2017年度までの4年間で、橋梁1,239橋、トンネル30箇所の定期点検を実施しました。

 橋梁では、健全度判定区分Ⅰが469橋(37.9%)、Ⅱが618橋(49.9%)、Ⅲが152橋(12.3%)で、Ⅳの橋梁はありません。

 トンネルは、Ⅱが12箇所(40.0%)、Ⅲが18箇所(60%)で、ⅠとⅣはありません。

 ――橋梁ではどのような損傷が発生していますか

 橘木 多く見られる損傷としては、コンクリート橋では経年劣化によるひび割れやコンクリート剥離による鉄筋露出、鋼橋については漏水による腐食などとなっています。


第二小浜橋の損傷状況

 ――端部の損傷が激しいなどの傾向は

 橘木 2018年度末に完了した1巡目の点検結果を踏まえて分析することとしています。

 ――道路メンテナンス会議などでは、支承や床版等の損傷を細かく出していますが、そのような資料を県では作成していますか

 橘木 部位ごとのリストを作成しています。

 ――トンネルの損傷状況は。目地に沿ったひび割れ、道路縦断方向のひび割れで重要度が変わってきますが

 橘木 橋梁と同じで、1巡目の点検結果を踏まえて分析することとしています。また、個別の補修にあたっては設計を進める中で、損傷の詳細について調査をしています。


トンネルの補修状況

橋梁耐震補強 緊急輸送道路上は1橋を残して完了

 今後は耐震性能3を2に向上させていく

 ――耐震補強の進捗状況は

 橘木 昭和55年(1980年)の道路橋示方書より古い基準を適用した橋梁のうち、15m以上の複数径間を有する緊急輸送道路上の橋梁90橋を対象として、耐震補強(耐震性能3相当)を進めており、2017年度末までに89橋(99%)の対策を完了しています。また、緊急輸送道路以外の橋梁では86橋のうち、71橋(83%)の対策を完了しています。

(一)折生野神野吾平線 市之渡橋の落橋防止対策(落橋防止チェーン)

(一)折生野神野吾平線 折生野橋の落橋防止対策(縁端拡幅)

 2018年度は2橋で落橋防止装置などの耐震補強を進めました。現在のところ、2019年度は落橋防止装置の設置予定はありませんが、予算をみながら対応していくことになります。

 ――他県では緊急輸送道路以外は耐震性能3、緊急輸送道路は耐震性能2に向上する傾向がありますが、鹿児島県では

 橘木 耐震性能3については99%に達しましたので、耐震性能2への向上を進めようとしているところです。現在の道路橋示方書で耐震性能2を求められる橋梁は、必然的にそのようになっています。

 ――県管理の橋梁でロッキング橋脚はありますか

 橘木 九州縦貫道の跨道橋で崎森橋1橋のみで、NEXCO西日本に補強工事依頼をしています。