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インタビュー詳細

西海岸道路もⅡ期線着手を検討

南部国道事務所 小禄道路、南風原BP、与那原BPの整備を推進

内閣府
沖縄総合事務局
南部国道事務所
前 所長
小幡 宏 氏

 内閣府沖縄総合事務局南部国道事務所は、政令指定都市並みの人口を擁する県都那覇市周辺都市圏の道路整備・維持管理を所管している。沖縄西海岸道路も整備が進み、昨年3月18日には国道58号浦添北道路及び臨港道路浦添線が開通したが、那覇空港側に設計の進む那覇北道路ともども早々に6車線化が検討されている。現在は国道506号那覇空港自動車道小禄道路、国道58号浦添拡幅、国道329号南風原バイパス・与那原バイパスの整備に精力を傾けている。維持管理の話題も含め小幡宏所長(取材当時、現在は国土交通省関東地方整備局宇都宮国道事務所長)に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


小禄道路 構造物が5割を占める

  南風原バイパスは側道部を供用

 ――管内の地勢的特徴と整備方針および構造物の整備の考え方について

 小幡 沖縄県の中南部地域を管理しており、路線では西海岸の国道58号、東側の329号、中央部の330号、南回りの331号、空港前の332号(約2km)、自動車専用道路(那覇空港自動車道)の506号の6路線で約167kmの管理、改築を担当しています。

 管内には県人口約147万人のうち、所管する16市町村に約8割が集中しています。そのため、交通量が多く、とくに那覇都市圏の渋滞は最悪な状況であり、旅行速度でみるとピーク時に15~16km/hで全国主要都市のなかでもワーストクラスです。

 整備方針では、本島南北連結強化と那覇都市圏の渋滞対策として、国道58号と沖縄自動車道、329号を柱として横方向を東西道路でつないでいく「ハシゴ道路ネットワーク」を構築しています。しかし、基地があり、なかなか横方向がつなげないという実情があります。那覇都市圏では、「2環状7放射道路」でネットワークを整備し、交通経路の分散を図り、渋滞解消を目指しています。

 大きな整備事業としては、①沖縄自動車道と空港の直結を図る国道506号那覇空港自動車道路の那覇空港IC~豊見城・名嘉地IC間の小禄道路(高規格道路)、②地域高規格道路の沖縄西海岸道路(読谷~糸満間)、③「2環状7放射道路」の放射道路にあたる国道329号南風原(はえばる)バイパス、与那原バイパスを進めています。

 ――小禄道路の進捗状況は

 小幡 那覇空港IC(仮称)~豊見城・名嘉地IC間の延長5.7kmの高規格道路です。事業進捗率は事業費ベースで約4割となっています。工事では航空自衛隊那覇基地内の補償工事(隊舎や周回道路移設など)のほか、準備工として331号の現道部分の工事は完了していて、本格的な橋脚の発注が開始されたところです。構造物比率はトンネルが約1km(972m)で16%、橋梁約2kmで 34%の合計50%となります。

小禄道路の概要図(沖縄総合事務局発表資料より抜粋)

 ――本体工はこれからですか

 小幡 一番大きなトンネル工事が今年、発注となりました。

 ――南風原バイパス、与那原バイパス事業は

 小幡 西側の南風原バイパスが延長2.8kmで進捗率は事業費ベース約5割、東側の与那原バイパスが延長4.2kmで進捗率約7割です。

 南風原バイパスでは側道部が2018年度末に開通予定です。本線部は橋梁の発注を進めている段階です。国場川渡河部については先行して下部工・上部工を発注しています。構造物は橋梁のみで、構造物比率は約40%となります。

 与那原バイパスは鋭意工事を進めているところで、東側の上り車線のPC橋(1号橋・2号橋)は仕上がってきています。西側についてはほとんど切土になり、切土工事を行っています。構造物は橋梁のみで、構造物比率は約20%となります。


赤嶺トンネル モノレールの橋脚と近接施工

 北丘高架橋の上部工が本格化

 ――2018年度および2019年度、着工および施工中・完成予定の橋梁、高架、トンネルは

 小幡 2018年度着工橋梁は、国道506号小禄道路の小禄高架橋(PCラーメン中空床版橋)下部工があります。トンネル南坑口を抜けた部分が土工部で、そこから高架となりますが、その最初の橋梁となります(具志付近)。今年度着工トンネルは、小禄道路の赤嶺(延長約1km)トンネルです。陸上自衛隊那覇駐屯地から航空自衛隊那覇基地につながる箇所のトンネルとなります。

赤嶺トンネルヤードの整備状況(北側)/(南側)

函渠部の施工/隊舎移設状況

 もう少し詳しく申しますと、空港から県道に沿ってモノレールが走っていて、その下を約1kmのトンネルで抜けます。その後は土工構造となり、航空自衛隊那覇基地を抜けるあたりから橋梁構造になります。最初の橋梁がPC橋(橋長:465.5m、PC中空床版ラーメン橋)で、その先は設計中ですが鋼橋になる予定です。

小禄高架橋下部工施工状況

 難関は既存のモノレール橋脚をアンダーパスするトンネルの施工が基礎杭に対して10mの近接施工になる点です。

 ――どのようにモノレールに対する影響を減らすのでしょうか

 小幡 発注したばかりですが、慎重に計測しながらの施工を想定しています。

 ――トンネルの受注会社は

 小幡 施工会社は、南側が西松建設・屋部土建JV、北側が飛島建設・太名嘉組・丸尾建設JVです。NATM工法で施工します。

 ――PC橋の受注会社は

 小幡 下部工は屋部土建。上部工は未発注です。

 ――既に施工に入っている橋梁は

 小幡 与那原バイパスの与那原1号橋(126m、PC4径間連続中空床版橋)・2号橋(190m、PC5径間連続少主桁)の山側については下部工・上部工とも完了しています。3号橋(橋長301m、鋼単純細幅箱桁橋+PC連続中空床版ラーメン橋は下部工・上部工ともに未着工です。

与那原地区の道路改良進捗状況

与那原地区の道路改良進捗状況②/与那原2号橋(海側)の下部工進捗①

与那原2号橋(海側)の下部工進捗②

 南風原バイパスの北丘高架橋は橋長750m、プレテンT桁+鋼床版箱桁橋+PCコンポ桁橋+PC箱桁橋となります。鋼橋は国場川をまたぐ箇所に位置しており、発注済みで工場製作の段階です。PC橋は発注済みでありこれから施工です。鋼橋、PC橋ともに下部工は完了しています。

北丘高架橋の進捗状況

 ――上部工の施工は

 小幡 鋼橋が横河ブリッジ・福地組JVと古河産機システムズ(上りと下りで2件発注)、PC橋が日本ピーエスです。

 ――今年度完成橋梁は

 小幡 南風原バイパスの新川跨道橋(PCプレキャストセグメント方式バルブT桁橋)です。本線が約30mの切土となりますので、それを横断する橋梁です。南風原バイパス側道橋(PCプレテンション方式中空床版)も今年度完成予定です。


沖縄地区鋼橋塗装マニュアルに基づき重防食

 アルミ製検査路を採用

 ――防食方法については

 小幡 「沖縄地区鋼橋塗装マニュアル」を策定して、沖縄特有の気候にあった基準を採用しています。飛来塩分防護板の採用、鋼材にスズを微量添加したスズ添加鋼の使用があります。

 ――PC橋については。海岸に近く、かぶり厚には配慮していると思いますが

 小幡 エポキシ樹脂塗装鉄筋、ポリエチレンシースを採用しています。かぶり厚も上部工70mm、下部工90mmを確保しています。

鋼橋、PC橋には検査路を設置しています。

 ――検査路に関して。NEXCOでは沖縄自動車道の大規模修繕を行っていますが、FRP製やアルミ製を採用するケースが増えています。管内では歩道橋が塩害で損傷しているのが目立つように思います。牧港大橋など、海上部の検査路はどのような素材でしょうか

 小幡 牧港大橋はアルミ製です。FRP製の採用事例はまだありません。

牧港大橋

鋼材にスズを微量添加したスズ添加鋼を使用した牧港大橋

 ――全素線塗装型PC鋼より線の採用は管内でありますか

 小幡 牧港大橋及び港川橋の一部で使用しています。

港川橋

 ――設計中、設計済みの橋梁は

 小幡 設計中は、小禄道路の(仮称)瀬長高架橋(橋長:1143.6m、鋼連続細幅箱桁橋+鋼連続鈑桁橋)と国道58号那覇北道路の那覇北高架橋(上之屋IC(仮称)~若狭IC間/那覇港湾・空港整備事務所施工(航路部:L=657m・鋼5径間連続鋼床版箱桁橋、若狭地区:L=193m・PC4径間連続箱桁橋、L=220m・PC4径間連続箱桁橋)です。那覇北道路は臨港道路も兼ねているので、那覇港湾・空港整備事務所と分けて整備していきます。

 南部国道事務所が施工する那覇北高架橋の北側(港町IC(仮称)~上之屋IC(仮称)間)は設計済みです(港湾地区:L=510m・鋼8径間連続非合成箱桁橋、L=266m・鋼4径間連続非合成箱桁橋、漁港地区:L=342m・鋼3径間連続鋼床版箱桁橋)。