道路構造物ジャーナルNET

約1000万人の観光人口をどのようにさばくか

沖縄県 ハシゴ道路ネットワークの構築を急ぐ

沖縄県
土木建築部
道路街路課長

玉城 佳卓

公開日:2019.03.29

浦添西原線(翁長~嘉手苅) ゆいレール延伸部近郊2.9kmを整備
 構造物は2橋 いずれも未着手

 ――中部圏域での整備事業は
 玉城 浦添西原線(翁長~嘉手苅)があります。同線は、浦添市港川から西原町小那覇の沖縄本島東海岸と西海岸を結ぶ主要地方道(延長12.8km)で、ハシゴ道路ネットワークの東西軸幹線道路です。
 本事業は、南北間の交通流の平準化により渋滞緩和等を図る目的で、ゆいレールの延伸部「てだこ浦西駅」の近郊の坂田交差点から国道329号までの延長2.9kmにおいて、バイパス道路の整備を行っております。
 構造物は長大橋2橋を計画しています。1号橋は橋長757m、幅員23.8mの17径間連続PC中空床版・箱桁混合橋です。張出架設工法と支保工式架設工法を予定しており、下部工基礎は場所打ち杭基礎、直接基礎、鋼管ソイル基礎となっています。2号橋は橋長160m、幅員23.8mのPC5径間連続中空床版橋です。支保工式架設工法で、下部工基礎は場所打ち杭基礎です。いずれも用地買収が完了しておらず施工には入れていません。


1号橋橋梁一般図(沖縄県提供、以下注釈無きは同)

 ――いつごろから着手する予定ですか
 玉城 未定です。

宜野湾北中城線 2019年度内の供用開始を目指す
 和仲トンネルは本体工事を完了 可能なら4車線整備したい


建設中・計画中のトンネル一覧

 ――宜野湾北中城線は
 玉城 宜野湾市伊佐を起点とし、北中城村渡久地を終点とする主要地方道(延長5.4km)で、ハシゴ道路ネットワークの東西軸幹線道路です。本事業は渋滞緩和等を目的に北中城村の安谷屋交差点付近から渡口付近までの2.6kmを4車線で整備しています。
 構造物は延長263mの和仲トンネルがあり、NATM工法で地すべり防止区域を通り、土被りも薄いため慎重に工事を進め、平成30年に本体工事が完成しております。今後舗装工や設備工事及びトンネル周辺の道路改良工事を進め、2019年度内の供用開始を目指しています。交通切り替えの問題もあるので、最低でも暫定2車線で供用して、可能ならば4車線の完成形で供用したいと考えています。現道がかなり渋滞していて、そのバイパス部になりますので、容量を増やすためにも最低でも2車線で供用、4車線で供用できればほぼすべての通過交通は移行します。


和仲トンネル一般図

和仲トンネルの施工①(鏡面補強工/AGF)


和仲トンネルの施工② 上半の掘削

和仲トンネルの施工③ 本体工が完了した状況

 ――通過交通量は
 玉城 25,000台で、慢性的に渋滞しています。東側から中央に移動する車がかなりあり、新港地区とか泡瀬の県営公園などに行く道路ですのでかなり利用されています。高速への近道にもなっていて北中城ICに向かう車もあります。喜舎場SICもありますが、現状は、那覇向けのみのSICで運用している1/4インターチェンジです。フル化、せめてハーフIC化したいのですが、建設予定地がどうしても米軍基地内に入るので、なかなか進みません。

新本部大橋 桁架設は完了 来年度に道路を切り替え
 2022年度には全線4車線で供用目指す 

 ――国道449号拡幅事業は
 玉城 本部町と国道58号を結ぶ延長約23.1km道路であり、海洋博記念公園など本部地域の観光拠点へのアクセス道路であり、拡幅整備を進めています。
 構造物は新本部大橋(仮称)があり、橋長330m、幅員10.75mの鋼5径間連続鋼床版箱桁橋です。架設方法はA1橋台からP2橋脚まではクレーン架設工法、P3橋脚からA2橋台は送り出し工法、中央径間は台船と吊上げ装置による一括架設となっております。2017年4月に中央径間の架設を行い、上部工の架設が完成し、現在は橋面工及び取付道路の整備を行っております。
 2019年度には道路の切り替えを行い、旧橋の補修を実施して、2022年度までには全線4車線での供用を目指しています。


新本部大橋一般図

下部工完了時の新本部大橋(手前)と本部大橋(井手迫瑞樹撮影)

現在の新本部大橋

 ――新橋の橋面の施工は
 玉城 現在、施工中です。次年度からは高欄などを施工して、切り替え後に現橋(1975年開通、L=352m、5径間鋼床版箱桁(詳細の橋梁形式は別紙参照))の補修となります。
 ――現橋は鋼橋でしょうか
 玉城 そうです。
 ――現橋の耐震補強は完了していますか
 玉城 はい。下部工は完了しており、上部工は今後予定しております。
上面の塗替えと補修も行います。
 ――新本部大橋の事業も長期間にわたっていますね
 玉城 予算の問題で中南部に多く配分してしまい、本部地域が遅れてしまいました。
 ――沖縄美ら海水族館があるので、事業進捗しているとばかり思っていました
 玉城 美ら海水族館には国道449号を通らずに、内陸の道路を通ってもいけますので。それでも、国道449号は約12,800台の交通量があります。


美ら海水族館(井手迫瑞樹撮影)

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