HOMEインタビュー一覧大阪市 淀川左岸線2期が端緒 堂島大橋をスレンダーに更新

インタビュー詳細

御堂筋線の全面歩行者空間化目指す 阪堺大橋の鋼部材疲労対策を検討

大阪市 淀川左岸線2期が端緒 堂島大橋をスレンダーに更新

大阪市建設局
道路部長
尾崎 滋 氏

 大阪市は、淀川、神崎川、大和川など大規模な河川が多く、平坦な地形を有している。そのため765橋の橋梁を所管しているが、15m以上の橋梁が約500橋と比較的長い橋が多い。供用経過年数も50年以上が30%と全国平均(20%)の5割増しの状況だ。しかし2014年度から2016年度までで法定点検を約8割実施し、健全度Ⅲ・Ⅳの橋梁はなく、比較的健全性を保っている。淀川左岸線2期工事などの新設プロジェクトや、堂島大橋のリニューアル、阪堺大橋の補修事業なども含め、大阪市の道路の現状について、尾崎滋道路部長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)



市管理道路延長は約3,700km

 都計道整備済みは計画の8割

 ――大阪市の道路網の現状から教えてください

 尾崎 当市は、約3,700kmの道路延長を管理しています。都市計画道路の計画延長は511km、整備済み延長は409kmとなっています。大阪市の都市計画道路としては8割が整備を完了している状況です。市内の中心部はおおむね500mメッシュ、郊外部は同1kmメッシュで道路が配置されています。特に戦後の戦災復興で大きな道路の外郭が形成され、さらに高度成長期を経て、これだけの道路が先人の力で出来上がってきました。

 これからの大阪市の道路整備面での大きな事業は御堂筋(国道25、176号)の道路空間再編と淀川左岸線2期および淀川南岸線があります。


御堂筋 完成80周年を記念して道路の空間再編を図る

 御堂筋を全面歩行者空間化

 ――御堂筋の道路空間再編から詳細をお願いします

 尾崎 御堂筋は44mの幅員がある延長4.2kmの道路です。御堂筋が誕生して80周年を迎えるのをきっかけに、公民が連携して御堂筋完成80周年記念事業推進委員会をたちあげ、今後の御堂筋のあり方について議論してきたところですが、2018年3月に、人中心のみちへと空間再編をめざす方向性が示されました。具体的には御堂筋全体を完成100周年をターゲットイヤーとして、全面歩行者空間化に向けた構想を進めていきます。


御堂筋モデル区間整備前(左)、整備後(右)(大阪市提供、以下注釈無きは同)

御堂筋現況パース/側道歩行者空間パース

 ――国道を全面歩行者空間化するというのは、あまり例がないですね

 尾崎 ステップを設けてこれからやっていこうと考えています。緩速車線を活用し、そこの部分に自転車を走らすなり、あるいは歩道の幅を広げて休憩できるような滞留空間を創出するなど、側道の歩行者空間化の取組みをファーストステップとしてやっていきます。それも一度にはできません。現在は南側の御堂筋千日前通以南で一部モデル整備ができています。それを徐々に、ご理解いただける沿道を中心に広げていきたいと考えています。

 ――非常に大胆な発想ですね

 尾崎 そうですね。ニューヨークのブロードウェイのような街並みを目指したいですね。日本でも京都市の四条通のように車道を狭め、歩道幅員を大胆に拡大し賑わいを創出する事例は増えています。

 御堂筋の歩行者空間化は、実は淀川左岸線と密接にかかわっており、自動車交通をできるだけ郊外に誘導し、都心への自動車の流入をできるだけ少なくすることで、歩行者空間化、賑わいの創出を図りやすくできるのではないか、と考えています。

 昨年度、公民で御堂筋完成80周年記念事業推進委員会というものを結成し、その場で議論を進めており、将来ビジョンを作成しています。その中でご意見を聞きながら、より具体的な施策を行っていくということになろうかと思います。

御堂筋将来ビジョンパース


淀川左岸線2期 南岸線と一体整備

 堤防の中にトンネルを造る特殊な構造

 ――淀川左岸線2期の概要と進捗状況は

 尾崎 淀川左岸線2期工事は、大阪都市再生環状道路の一部を構成する海老江JCT~豊崎出入口に至る延長4.3km、幅員約22mの自動車専用道路です。御堂筋の説明でも少し触れましたが、広域幹線道路ネットワークの形成や都心北部地域での交通混雑の緩和を目的としています。また淀川左岸線2期と並行して陸側に淀川南岸線も一体的に整備しています。

淀川左岸線位置図/標準断面図

 淀川左岸線2期の本体部は、堤防の中にトンネルを建造するという特殊な構造です。淀川は直轄河川ですので、国の河川占用許可を得る必要がありました。3月に許可が下りまして、今年度から本格的に堤防の前面に仮締め切りの工事を行っていきます。供用目標年次は、2026年度末を予定しています。

淀川左岸線パース

 ――実際の本体構築はいつごろから

 尾崎 仮締め切りを今年スタートして、今年度中に最初の契約を行って、現地ではまず地盤改良を進めていくことになりますので、それが2019年度から本格的に実施されていくことになると思います。

 ――掘る前にまず大幅な地盤改良が必要なわけですね

 尾崎 堤防本体と一体の計画をしていった中で、圧密沈下と液状化に関して懸念がありました。その懸念を解消するため地盤改良が必要です。

 ――同様にトンネル構造で建設されている大和川線では、数か所を断層が通るため、損傷制御セグメントなど、地震対策を手厚く施していました。淀川左岸線2期工事では、そうした断層は有りますか。ある場合どのような対策を施そうと考えていますか

 尾崎 上町断層が動いた場合の直下型地震の耐震対策やプレート海洋型の東日本大震災のような地震に対する耐震照査を行っており、それらを踏まえた上で工事を進めていきます。

施設の概要

 ――一部に高架構造のあるランプ部も市の方で作るのですか

 尾崎 そうです。淀川左岸線2期は阪神高速道路との合併施行ですが、当市所管部ではランプも我々の事業で造る予定です。料金所などは有料事業者での整備を想定しています。