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インタビュー詳細

2浴工法で高品質の防食を実現 溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金めっき

興和工業所 鋼製の排水溝、壁高欄、検査路などにSGめっきSPを展開

株式会社興和工業所
土木建材事業本部長
今岡 豊志 氏

 興和工業所は、戦後間もない1947年に創業した。主に溶融亜鉛めっき防食を手がけてきたが、82年にはSGめっきの開発に着手、塩害地域でも長期防錆が可能なめっきとして広く販路を開拓している。橋梁では福井県美浜町の和田橋の鋼製高欄に始まり、北九州市戸畑区のテクノ大橋、の投物防止フェンス、大阪府の高石大橋においてはエキスパンドメタル製フェンス、そしてその実績が名港トリトンおよびその前後で採用される礎となった。現在は鋼製排水溝や検査路などにも分野を拡大、着実に実績を増やしている。同事業を長年技術面から支えている今岡豊志土木建材事業本部長に事業の詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)

1982年にSGめっき開発に着手
 塩害地域の電力金具に採用

 ――興和工業所がSGめっきを始めた理由を教えてください。さらにSPやナイロンコート使用などはどのような点で性能を向上させているのでしょうか

 今岡 当社の創業は1947年、溶融亜鉛めっきからスタートしました。当社は色々な事を手掛けていますが、表面処理だけについて言えば、溶融亜鉛めっき以外に、鉄への防錆として、SGめっき(溶融亜鉛アルミマグネシウム合金めっき)、KSGめっき(溶融亜鉛スズ合金めっき)、溶剤塗装、紛体塗装(流動浸漬工法、静電工法)、ダクロタイズド(ジオメット)、硬質クロムメッキ、無電解ニッケルメッキ、などを行っています。

 SGめっきを始めた理由ですが、82年に亜鉛地金購入先の三井金属鉱業さんが、スーパーガルバー(亜鉛アルミニウムマグネシウム合金地金)を開発され、加工パートナーとして、溶融亜鉛めっき業を営む当社が参画した事に始まり、83年に開発に着手しました。

 溶融亜鉛めっきは、塩害に弱く、日本は海岸に囲まれた国です。両社の当初の目標は、電力会社の配電金具(電柱に装着されている諸々の金具)を塩害から守り、長期防錆を目的としました。86年に最初の生産設備が完成し、生産をスタートさせ、88年に初めて、中部電力の尾鷲幹線送電金具に採用されました。電力向けの、鉄塔、配電用金具です。以降、東北、九州、中国、四国、関西などの電力会社の送電金具へ採用、東京電力は送電、配電用金具を特に塩害環境区域へ採用されています。

SGめっき 2浴工法に特徴
 NI添加で合金反応を抑制

 ――SGめっきの特徴は

 今岡 まず製造工程からお話しします。

 SGめっきは、2浴工法(横写真、奥の扉の向こうが1浴目、手前が2浴目)で行います。1浴目でより正しいめっき被膜とする必要があり、正しくない場合は、2浴目の合金浴に浸漬した時に、めっき被膜の脱落、異常模様、変色などが発生し、耐食性、外観品質面が問題となります。従って正しい合金被膜を生成させる鋼材であることが望まれます。1浴目は高純度亜鉛を使った溶融亜鉛めっきですが、被鋼材に含む元素の内、SI(シリコン)、Mn(マンガン)、S(硫黄)、P(リン)などの元素が適正外の含有率となった場合に反応が激しくなり異常めっきとなります。

 溶融亜鉛めっきは、異常気味のめっき被膜であっても1浴で完成となるためその後の進展はなく問題とはなりにくいのですが、合金めっきは2浴工法であり、2浴目の合金浴ヘ浸漬する為、この時点で異常が発生します。


SGめっきSP概要

 合金めっき物量が拡大するにつけて、各方面、各会社などから色々な被めっき材料が入荷してきましたので、完全な「めっき適正材」の要求、管理は難しくなってきています。合金化異常反応に対処する方法は、浴温度を下げる(設備が大型の場合は温度上下調整に時間がかかり非現実的)、ブラスト処理などを含め色々とありますが、NI(ニッケル)の添加も合金反応を抑制する効果があり、結果的にはめっき被膜の安定化に繋がる効果があります。当社はSGめっき生産設備を、営業拡大に伴い順次大型設備へ移行してきていますので、NI添加を標準化しています。

NI添加を社内規定化「SGめっきSP」が誕生 

 ――では最近NETIS登録したSGめっきSPについて教えてください

 今岡 このSGめっきの1浴目の、めっき浴において、NIの添加率を社内規定化したのを機に、いままでの呼称「SGめっき」とは区別して「SGめっきSP」として17年に申請しNETIS登録(QS-170020-A)しました。

 NI添加は、1浴目での下地めっき合金反応を抑制する効果だけですので、2浴目の合金浴浸漬を経て出来た「SGめっきSP」の耐食性などの性能面は、従来のSGめっきと変わりません。