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インタビュー詳細

15橋、7トンネル含め全線をH30年度に供用

NEXCO東日本小樽工事 余市~小樽間が全面展開  

東日本高速道路株式会社 
北海道支社 
小樽工事事務所長
林 正幸 氏

 東日本高速道路北海道支社小樽工事事務所は、小樽~余市間23.4㌔の札樽道延伸区間を建設している。同区間はNEXCO担当区間で現状最後となる道内の高速道路建設事業であり、橋梁が15橋、トンネルも7本ある。長大橋も多く、様々な最新技術を駆使し、長期耐久性の向上や供用後の点検のし易さを重視したLCCに優れた構造物を建設している。注目の事業につき、林正幸所長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


最後に残った? 後志(しりべし)地域の高速道路建設

 ニセコまでの高速道路が事業化済

 ――管内の概要から

 林所長 道内では千歳空港を拠点に札幌方向に向かうルートや苫小牧、室蘭を経由して函館方面に向かう道南ルート、江別、滝川から旭川に行く道北ルート、帯広から池田、本別、足寄などに行く道東ルートが有料の高速道路として整備されています。また、北海道開発局による新直轄方式による高速道路整備や、一般国道の自動車専用道路として函館・江差道や函館新道、旭川・紋別道、深川・留萌道、帯広・広尾道なども整備されています。さらに道東の北部オホーツク地域の女満別(空港)~美幌間(高野交差点)、北見西IC~訓子府IC間なども開通していますし、釧路方面の道東道の延伸も阿寒ICまでと、釧路外環状道路の一部(17㌔中10㌔、釧路西IC~釧路東IC間)が先ごろ開通し、残るのは阿寒ICから釧路西ICの区間となっています。

 そうした中、ニセコリゾートのある後志(しりべし)地域は札幌から小樽ICまでのいわゆる札樽道は整備されていますが、高速道路整備は遅れていました。この、読み方の非常に難しい、後志地域には、元々、北海道で唯一の一桁国道である国道5号線が走っており、函館など道南方向と札幌を結ぶ大動脈なのですが、稲穂峠という難所や、古い時代に開通したということもあってトレーラー同士ではすれ違いも困難なトンネル箇所もあります。

 札樽道は昭和40年代後半に供用され、小樽まではつながっています。その先となる余市までの延長23.4㌔の延伸事業が認可されたのが平成18年度で、現在NEXCOで工事中を行っています。更に北海道開発局が事業主体となる余市と倶知安(くっちゃん)を結ぶ倶知安余市道路のうち余市~共和間27.6㌔は平成26年度に事業採択され、今年度には残る倶知安~余市間11.5㌔も新規事業採択され、札幌からニセコまでの高速・自専道ネットワークは事業化されました。現在黒松内から小樽間の高速道路で事業化されていないのは、黒松内~倶知安間の延長約30㌔となっています。

 ちなみに、北海道内でNEXCOが行っている高速道路の建設事業は、この余市~小樽間だけになりました。 

 ――建設予定の小樽~余市間の予測交通量は

 林 余市~小樽間が事業化された時の予測交通量は、約7,000台で暫定2車線による整備を進めることになりました。当時はまだ余市から先の事業化の見込みも未定であったことから、その影響は考慮していない数字になります。ちなみに一昨年に開発局が先線の共和~余市間の整備を事業採択した際の予測では、無料ということもありますが、NEXCO隣接区間で1万台程度の交通量を予想しています。

 ――日本放送協会の朝の連続ドラマの影響もあり、観光客も伸びているのではないですか

 林 小樽市を訪れる観光客は年間約750万人といわれています。また余市町も、ドラマの影響を受けて、昨年度のニッカウヰスキーの工場への工場見学者数は、蒸留所操業以来初となる約80万人となったそうです。。また、近くには海水浴場や、ウニなどの美味しい海産物で知られる積丹半島もあり、旬の時期には遠方からたくさんの人がウニ丼に舌鼓を打ちに来ています。また、余市周辺は葡萄や林檎など果樹でも有名です。特に近年は地元の葡萄を使ったワインの醸造が盛んで、北海道ワイン(株)から小さなワイナリーまでたくさんの醸造所があり、隣の仁木町とあわせワインツーリズムとしても脚光を浴びています。高速道路ができると札幌中心部から余市まで1時間足らずで結ぶことができ、さらにこうした産業の振興を後押しすることができます。

 ――そのように考えると1万台というのは少なく見積もり過ぎで、早期の4車線化も予想されるのでは

 林 供用する前から4車線化の話は早すぎですが、まずはしっかり目標年次に高速道路ネットワークを整備することが大切だと思っています。そうでなくても夏場の海水浴シーズンは、余市までの国道5号が渋滞で動かなくなってしまうことが度々あります。


区間延長は23.4㌔、中間に小樽西ICを新設

 舗装・施設以外の発注は完了 構造物建設が全面展開

 ――さて、小樽~余市間の現在の進捗状況は

 林 区間延長は23.4㌔ですが、途中1箇所小樽西ICを計画しています。起点側の余市ICは当面端末となるので札幌方面への乗降のみのICです。終点側は札樽道の小樽JCTをハーフとして整備(札幌⇔余市)しています。地元からはフル化(朝里IC方面からも余市方向へ通行可能にする)を強く要望されているところです。


管内トンネル・橋梁位置図(NEXCO東日本 小樽工事事務所提供、以下注釈なしは同)


新設橋梁一覧

 さて、進捗状況ですが、まず発注から言うと舗装、施設以外はすべて終えています。構造物比率は49%で、そのうち橋梁が3.2㌔(15橋)、トンネルが8.2㌔(7本)あります。トンネルは7本中、新光トンネル(464㍍)、忍路トンネル(320㍍)、フゴッペトンネル(304㍍)の3本が貫通しています。他4本、第二天神トンネル(2,829㍍)、第一天神トンネル(441㍍)、天狗山トンネル(2,978㍍)、蘭島トンネル(909㍍)については現在施工中ですが、第一天神トンネルはトンネル掘削部を既に終え終点側坑口部の土工工事に入っています。残る3本のトンネルについては今年の夏から秋頃にかけて順次貫通する予定です。

 橋梁は予定している15橋のうち、(舗装を除いて)完成しているのが3橋(モチヤ沢橋、七戸沢橋、豊倉橋)で既に土運搬路として使用しています。残りの橋梁についても下部工はほぼ完成している状態ですが、小樽西ICのCランプ橋と塩谷川橋、小樽JCT Bランプ橋、桃内橋の一部の下部工は施工中です。また、当管内で一番長い天神橋(681㍍、PC9径間連続ラーメン箱桁)についても橋脚2基は完了していますが、現在残りの下部工を施工しています。また、上部工も平成28年度当初時点で、ランプ橋以外の全橋において現場着手しています。


上部工が完了している七戸沢橋(井手迫瑞樹撮影)