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インタビュー詳細

塩害やASRにより傷んだ橋を補修

福岡市 雑餉隈駅付近の連続立体工事が佳境に

福岡市 道路下水道局
管理部長
宮本 能久 氏

 福岡市は、九州と日本各地を結ぶ交通の要衝であると同時に、アジアの玄関口であり、九州随一の人口を誇る商業の中心地でもある。古くは遠の朝廷に端を発し、筑紫の鴻臚館、日宋貿易、倭寇、戦国時代と絶えず、外部の刺激を受け続け、我が物とし、発展してきた都市であるといえる。一方で道路網は整備されてきたといえども、自動車1万台当たりの交通事故件数は全国の政令指定都市の中でワースト2位となっており、自転車関連事故の割合も増加しつつある。また、ほかの自治体と同様に構造物の長寿命化対策は急務だ。それらへの対策をどのように行っているか、西鉄天神大牟田線連続立体交差事業(雑餉隈駅付近)の進捗と合わせ、宮本能久同市道路下水道局管理部長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


都市計画道路の整備率は約82%

 今年度が道路整備アクションプラン最終年度 

 ――まずは道路事業の置かれた状況から

 宮本部長 福岡市は都心部を中心にY字形に発展している街です。交通インフラについてもY字形に形成されており、コンパクトな都市構造を支えるため、放射環状型の道路ネットワークの形成を目指しています(左図)。平成25年度末の都市計画道路の整備率は81.7%に達しており、他の政令指定都市と比べても進んでいると言えます。

 一方で、交通事故件数は平成26年でワースト2位(自動車1万台当たりの交通事故発生件数)と良くありません。その中でも自転車が関わる事故の割合が増加傾向にあります。一方で、財政状況は厳しく、道路インフラにかける予算は少ない状況です。予算のピークは平成9年度で、その頃と比べると、現在は約1/4まで落ちています。これは、福岡都市高速道路などの整備が終わり、落ち着いてきていることもありますが、市民生活に身近な道路の整備や維持管理などは十分であるとは言えず、道路に求められているニー ズは依然として高い状況にあります。このため、限られた予算を工夫しながら使っていく必要があります。


交通事故件数

 福岡市では、平成25年度からの4カ年計画である道路整備アクションプラン2016を策定しており、そのプランに基づき整備を進めています。同プランでは①ユニバーサル都市・福岡を実現する道づくり、②都市の魅力に磨きをかける道づくり、③市民の安全・安心をささえる道づくりの3つを基本的な考え方として掲げています。具体的な施策として、①では歩道のフラット化や通学路の歩車分離推進、自転車通行空間の整備など、②では主要放射環状道路の整備など、③では橋梁の長寿命化修繕計画に基づく修繕や無電柱化など、を推進しています。

 現在、大規模な事業としては、西鉄天神大牟田線連続立体交差事業(雑餉隈駅付近)や自動車専用道路アイランドシティ線整備事業などを進めています。

 ――自転車通行空間の整備延長は、どのような方策で実現しようとしていますか

 宮本 道路下水道局内には自転車課という自転車対策を行う専門課を設けています。国のガイドラインに従い、平成26年3月に市の整備方針をうちだしています。都市計画道路の整備や拡幅計画が存在する事業と合わせて、通行空間を確保するという施策が基本となります。また、既存道路の車道を若干いじめて自転車通行空間を確保するといった箇所もあります。「福岡市自転車通行空間ネットワーク整備計画」を策定し、平成25年度~平成34年度までの10年間で、約100㌔整備する予定です。自転車通行空間は、原則車道を考えていますが、車道での整備が困難で、歩道が広幅員な箇所については、歩道の車道側に自転車通行空間を作っています。


生まれ変わる博多駅前通り


平成28年度から工事をはじめ32年度には全線完成予定


 ――橋梁・トンネル区間についてどのように考えますか

 宮本 自転車通行空間の確保において橋梁・トンネルがネックであることは認識しています。現在では、そうした区間については検討中です。