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インタビュー詳細

既設橋の損傷は塩害が主因 彦部橋で様々な補修補強を採用

留萌開建 天塩大橋、留萌大橋などの長大橋が進捗

国土交通省
北海道開発局
留萌開発建設部
前部長
(現・国立研究開発法人 土木研究所 審議役)
片倉 浩司 氏

 留萌開発建設部は北海道の天塩山地西側から日本海沿岸にわたる細長い地域を所管している。現在は橋長500㍍を超える天塩大橋の架け替えや留萌大橋など深川留萌自動車道の建設、築別橋、高砂橋の架け替え事業などを進めている。維持管理面でも塩害や凍結融解、凍害等の損傷が少なからずあり、予防保全としてはシラン系およびケイ酸塩系含浸材、エポキシ樹脂塗装鉄筋の採用、事後保全としては電気防食の採用、外ケーブル補強は炭素繊維補強プレートによる補強等を行っている。片倉浩司所長(取材当時、現国立研究開発法人土木研究所審議役)に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


南北に長い道路 総延長は約280㌔

 深川留萌自動車道は残り4.1㌔を施工中

 ――管内の特徴から

 片倉 当建設部は北海道の天塩山地の西側から日本海沿岸にわたる細長い地域(左図(留萌開発建設部HPより)参照、南北約200㌔)を所管しています。管内には1市7町1村あり、全てが日本海に面しており、国道231号、232号が南北に貫いています。また、内陸部に向かう道路としては国道40号、苫前から士別市に向かう国道239号、一番核になる留萌から深川へ抜ける道路である国道233号および整備中の深川留萌自動車道を所管しています。道路総延長は約280㌔に達します。

 夏場は良い砂浜に恵まれており海水浴で賑わいますが、日本海沿岸の例に漏れず、秋口から冬にかけては高波が押し寄せます。また冬季は内陸部を中心に暴風雪が常襲します。昨冬は暴風雪で度々通行止めが生じましたし、咋秋は台風による越波で総延長120㌔に及ぶ通行止めが起きました。


新設・架け替え橋の現状


 ――具体的な進捗状況を深川留萌自動車道から

 片倉 当建設部のメインに位置付けている事業です。全長49㌔超のうち北竜ひまわりICから北の22㌔を所管しています。現在は留萌幌糠IC~留萌IC間約13㌔を幌糠留萌道路事業として建設を進めています。そのうち、留萌幌糠IC~留萌大和田IC間8.9㌔を先行供用しておりまして、残り4.1㌔について最後の区間として工事を進めています。全線が暫定2車線です。事業進捗率は97%です。


留萌大橋はスパン中間部で変断面

 耐震性の向上、橋脚規模の小型化を実現

 ――残り4.1㌔の構造物比率および進捗状況は

 片倉 構造物比率は29%です。尾根を切りながら施工するため、小さいトンネルが飛び飛びで生じています。現在実施している主要な橋梁は、留萌大橋とカモイワ高架橋の2橋です。また、1本トンネルが未着手(バンゴベトンネル、約300㍍)です。留萌大橋は橋長339㍍、幅員10.3㍍の3径間連続細幅箱桁+3径間連続2主鈑桁橋を採用しています。道路を跨いでいる区間のスパンを飛ばす必要があるため、途中で構造が変わっています。床版は合成床版を採用しています。同橋の特徴は細幅箱桁と鈑桁を橋脚上ではなくスパン中間で繋げていることです。要は異種形状を連続化しているということです。


留萌大橋

 このような手法を採用したのは、スパン割が均等ではないため、それぞれのスパン毎に合理的な断面設計をしていって、構造を連続化して、(異種桁同士の接続部は)添接構造でもたせても大丈夫と考えました。連続桁にすることで耐震性の向上が期待できます。また通常、桁の種類を変える時には、そこを支点にしますが、そうすると(変断面が生じる)支点部の橋脚が大きくなり、反力分散ができません。そのため連続化して桁種は支点から少し離れたところで変えてやり、支点となる橋脚を(2主鈑桁を受けるため)小さくできるようにしたものです。

 変断面部は、FEM解析をかけて問題のない添接構造を採用しています。


含浸材塗布し、エポキシ樹脂塗装鉄筋を採用

 ――防食方法は

 片倉 下部工および床版などのコンクリート部材は、凍害や塩害を考慮し、ケイ酸塩系およびシラン系含浸材の塗布、エポキシ樹脂塗装鉄筋を採用しています。鋼部材については全て塗装で防食しています。


盛土と比較し、コストの安い高架形式を採用

 カモイワ高架橋 基礎は軟弱地盤

 ――カモイワ高架橋は

 片倉 橋長305㍍、幅員8.5メートルの6径間連続2主鈑桁橋です。 ここを高架橋にしたのは地盤の問題です。河川はそれほど大きくはありませんが、軟弱地盤であり、高架と盛土を比較した結果、高架構造の方が安くなるということで、採用しました。カモイワ側と道道カモイワ総合公園線を跨いでいます。基礎杭は場所打ちです。

 留萌大橋は桁架設を終えて床版を施工中です。カモイワ高架橋は下部工を終えて上部工を製作中です。また末端の留萌ICからJR留萌本線を跨いでカモイワ高架橋につながる橋梁として東雲跨線橋を建設しています。これは高規格道路というよりも現道の232号の交差点位置を変える(緩やかなカーブをT字路へ)ために施工しているものです、同橋は下部工を完了し、これから上部工(プレテンPC桁)に入る予定です。